■枚方の企業、社員50人痛み分けかち ■生き残りかけワークシェアリング 深刻な不況に見舞われた大阪の部品メーカーが1月、約50人の社員全員で仕事や賃金を分かち合うワークシェアリングを始めた。「リストラはしない」というオーナーの決意に社員が応えた。手取り額の減少に「これ以上切り詰めろといわれても…」と不安の声も漏れるが、社員たちは家族サービスや資格取得などに気持ちを切り替えながら、中小企業の生き残り策にのぞんでいる。 テレビや自動車の試作品に使う精密部品を作るアスク(大阪府枚方市)。近年の年商は約9億円に上るが、昨年9月の「リーマン・ショック」で、受注額は11、12月に約1割ずつ急減した。 「仕事が半減するかもしれない。7、8人解雇しようか」。「現状では再就職は難しい」。葛藤(かっとう)したオーナーの長倉貞雄相談役(63)が思い立ったのが、全員で痛みを分かち合うワークシェアだった。