「シリコンバレーより、南武線エリアのエンジニアが欲しい」「えっ!? あの電気機器メーカーにお勤めなんですか!それならぜひ弊社にきませんか」――。 2017年7~8月、JR南武線の駅に掲示したトヨタ自動車の求人広告は、ソーシャルメディアなどで反響を呼んだが、多くのITベンダーにも衝撃を与えた。南武線沿線には富士通やNEC、キヤノン、東芝などの事業所が集まり、それぞれの事業所に勤務する多くのエンジニアが毎日の通勤に利用している。その最寄り駅に「露骨」に転職を呼び掛ける広告が掲示されたのだ。 ある大手ITベンダーの幹部は「いくらトヨタさんでも…」と呆然としたとのこと。広告は2つの点から時代の変化を象徴している。1つはビジネスのデジタル化に備え、ユーザー企業がシステムを内製し始めたこと。もう1つは終身雇用が前提だった日本の大企業においても、いよいよIT人材の流動化が始まったことだ。 従来、日本企業