伊豆諸島・鳥島に生息する国の特別天然記念物アホウドリを噴火による絶滅の危険から防ぎ、新たな繁殖地を作るため、山階鳥類研究所(千葉県)は8日、ひな15羽を約350キロ離れた小笠原諸島・聟島にヘリコプターで移送した。移送は4年連続。 鳥島はアホウドリの最大の繁殖地で、環境省によると、約2600羽が生息しているとされる。活火山のため噴火の恐れがあり、研究所が平成20年から5年計画でひなの移送を進めている。研究所の職員らが聟島に滞在し飼育。ひなは5月下旬ごろ巣立つ。これまで計40羽が飛び立った。 渡り鳥のアホウドリは3~5歳になると育った場所に戻って繁殖する習性がある。研究所は、20年に巣立った第1陣のひなが聟島に「里帰り」する可能性もあるとみているが、8日現在確認されていない。