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ブックマーク / www.mishimaga.com (7)

  • 竹熊健太郎さんインタビュー|インタビュー・ミシマガ「人」|平日開店ミシマガジン

    「編集家」という肩書きで、長年出版界で編集者・ライターとして活躍してきた竹熊健太郎さん。いまや伝説的なギャグ漫画として知られる相原コージ氏との共著、『サルでも描けるまんが教室』(略称「サルまん」)を読んだ方も多いだろう。 近年はじめたブログ、「たけくまメモ」は多くの漫画ファンや業界関係者の注目を集め、京都精華大学と多摩美術大学の教壇にも立ちながら、同人誌『コミック・マヴォ』の編集長を務めるなど、活躍の幅を広げている。 その竹熊さんに、出版の未来についてお話を伺った――。 漫画の産業革命、はじまる。 ―― 竹熊さんが大学でマンガのことを教えるようになってから、もうだいぶ経ちますね。 竹熊マンガ学科を設ける大学が、近年増えてますね。関西が多いんですけど、関東でも厚木にある東京工芸大学が3年前に専門のマンガ学科を設けました。学科としてはまだ少ないですが、講座を持っているところは多いですよ。美

  • 第25回 羽生について語るときに森内の語ること|いささか私的すぎる取材後記|みんなのミシマガジン

    あの日、森内俊之は思っていた。 勝負の熱の中で、誰にも知られず、1人きりで。 「対戦相手と戦いながら自分とも戦っていました。非常に重いものを背負いながら...。自分が先になってしまっていいものなのかと」 2007年6月29日。第65期名人戦7番勝負最終局。挑戦者・郷田真隆九段との最後の戦いの終盤、勝利を確信した。勝てば名人通算5期となり永世名人の資格を得る。通算4期で並ぶ羽生善治より先に将棋歴史に自らの名を刻むことになるのだ。「木村(義雄14世名人)、大山(康晴15世名人)、中原(誠16世名人)、谷川(浩司17世名人)と来て、次の永世名人は羽生さんがなるんだろうなーと誰もが思っていて、私も思っていたんですけど、自分が先に5期目を取りそうになった時、なんて言うんでしょうか...葛藤がありました」  将棋界について知らない人に「将棋界にはとんでもないものがある」と声を大にして伝えたくな

    第25回 羽生について語るときに森内の語ること|いささか私的すぎる取材後記|みんなのミシマガジン
  • 第21回 闘志について語るときに渡辺の語ること|いささか私的すぎる取材後記|みんなのミシマガジン

    年季が入りすぎて暖房が故障してしまったのか、喫茶店の店内はヒンヤリと底冷えがした。外にいるときとほとんど変わらないくらいだった。スラックスにドレス・シャツ一枚の渡辺明は「ちょっと寒いですね。着ていいですか?」と言って、例のウィンドブレーカーに袖をとおした。 ブルーマウンテンの香りに満ちていたはずのコーヒーカップは必然的に2つともカラになっている。「お代わり頼みます?」と提案すると、彼は「大丈夫です」と小さく言った。正直、遠慮は無用だった。私は熱いコーヒーを胃に流し込む欲求に駆られたが、忍耐の局面だ。話の続きを聞こう。 「ちょっと伺いにくいんですけど、やっぱり竜王位というのは特別なものだったんでしょうか」 過去9年間、彼が最も多く耳にした単語のひとつだろう。「竜王」という言葉の勇壮な響きを聞いて、渡辺は少し淋しそうな顔をした。私の問いかけが「・・・だった」と過去形だったせいかもしれない。迂

  • 第20回 羽生について語るときに渡辺の語ること|いささか私的すぎる取材後記|みんなのミシマガジン

    マンチェスター・ユナイテッドのエンブレムが左胸に入ったウィンドブレーカーを羽織って、渡辺明は改札口に現れた。欧州サッカーフリークの彼らしいな、と思った。狙い澄ましたように待ち合わせ時間の3分前だった。 「お待たせしました。すいません」 黒地に赤のパイピングという洒落たカラーリングは、当たり前だが、対局室の彼からは遠く、新鮮に映った。 年の瀬の12月28日。駅前の小さな商店街は正月休みに入った店もあり、静かだった。 クリスマスはご家族でお祝いを? などと歩きながら尋ねると「いや、自分はイブに対局があったので、終わった後に棋士何人かと観戦記者の方と飲みに行きました。男だけで」と笑った。 古い喫茶店に招き入れられた。「ここ前に取材で使ったことがあるんで、いいかなと」。 おそらく開店から40年は経っているであろう店内は、床から天井まで全て木で造られ、宿命的なコーヒー色に染まっている。初老の女主

    第20回 羽生について語るときに渡辺の語ること|いささか私的すぎる取材後記|みんなのミシマガジン
  • 第18回 闘志について語るときに羽生の語ること|いささか私的すぎる取材後記|みんなのミシマガジン

    王者の首に刃を突きつける奇襲だった。 将棋会館東京将棋記者会室のモニターが映し出す特別対局室の盤上には、見たこともない陣形が広がっている。隣にいた観戦記者は「なんだこれ」と驚いた後で「これは昼までに終わりますね」と言った。まだ11時前だ。対局開始から1時間も経っていない。 若手の登竜門である第44期新人王戦を制した都成竜馬三段が臨んだ記念対局。相手は羽生善治三冠だった。いわゆるエキシビジョンマッチである。非公式戦で、正式な記録としては残らない一局だが、少なくとも都成にとっては真剣勝負だったはずだ。羽生の胸を借り、自らの腕を試すことができるのだから。仮に白星を挙げれば、何より雄弁に実力を示す看板になり、己の背中を押す自信にもなる。天才たちが四段(プロ)昇段への切符をめぐって弱肉強の死闘を繰り広げる三段リーグに持ち込む、最良の財産となるのだ。 独創的な指し回しはプロ間でも高い評価を受け、奨

    第18回 闘志について語るときに羽生の語ること|いささか私的すぎる取材後記|みんなのミシマガジン
  • いささか私的すぎる取材後記|みんなのミシマガジン

    連載「いささか私的すぎる取材後記」の記事一覧です。勝負は決した。 特別対局室の様子をモニター越しに見つめる控室や記者室に、もう熱狂はなかった。午後10時30分が過ぎようとしている。窓外からわずかに吹き込んでくる熱帯夜の風はまだ炎天下の余韻を感じさせたが、あれほど激しかった盤上の熱は、もはや消え失せていた。7月22日、将棋会館にて午前10時に始まった第61期王座戦挑戦者決定戦は、中村太地六段が郷田真隆九段を屠るための最終盤へと突入していた。終局に身構えた控室は息をのみ、不思議な静寂に包まれている。それでも郷田は投了を告げなかった。 もう終わったのだ。後手玉(後手の王将)は詰んでいる。検討陣の棋士たちや観戦記者は当然のこと、携帯中継を見守る日中の腕自慢のファンですら、おそらくは詰み筋を読み切っていただろう。あとは中村が手順通りに指せばいい。これから13手を進行させ、完璧に郷田玉を詰ます。残さ

  • 第58回 千日手の長い夜|実録! ブンヤ日誌|平日開店ミシマガジン

    夜に響く駒音だった。時計の針は10時に近付いている。 銀将を手に取った羽生善治の右手の指先がゆらりと宙を舞い「6六」(※1)に打ち下ろされた瞬間、控室(※2)の空気はエアポケットに入ったように行き場を失った。 「え?」「あれ?」「何これ?」 モニターを通して局面の検討を行っていた棋士たちがどよめく。私には何が起きたのか理解出来なかった。とんでもない悪手を指してしまったのだろうか、と思った瞬間に、今度は「あっ」「なるほど」と「6六銀」後の展開を読み切ったのであろう声が上がった。私の目の前にいた行方尚史八段(※3)は小さな声で「マジックだ・・・」とつぶやいた。 午前9時の開始から既に13時間が経過しようとしている。疲労困憊の控室とは裏腹に、対局室の空気は凜として張り詰めたままだ。彼にしか起こし得ない魔術を繰り出して危機を脱した羽生は、苦悩する鬼のような顔で思考を続けている。土壇場に仕掛け

    Meg_Lauran
    Meg_Lauran 2012/10/21
    王座戦第4局のようすがよくわかる。
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