【立松大和】2027年に東京―名古屋で開業を目指すリニア中央新幹線。沿線1都6県、92カ所の住民説明会がすべて終わった。詳しいルートなどが説明されたが、ガラガラの会場も。JR東海は来夏までに工事計画を国に出す予定だ。気がついたら工事が始まっていた――。そんな事態にもなりかねない。■振動は?電磁波は? 住民不安 リニア中央新幹線の愛知県内の区間は24・8キロで、名古屋駅周辺以外は深さ40メートルを超える「大深度地下」を通る。岐阜県多治見市から愛知県春日井市の中部大学や王子製紙春日井工場付近を経て名古屋市へ。名古屋城の南の官庁街の真下を通り、名古屋駅の地下に設ける新駅に乗り入れる。 春日井市町田(ちょうだ)町の建設業、水野金矢さん(73)の自宅の地下はリニアのルートにあたる。大深度地下なので補償の対象外だ。 記者がそのことを伝えると、「よその話だと思っていた。今聞いて驚いた。またかという感じ」