鉢呂吉雄経産相が10日、「放射能を付けたぞ」との発言(8日)の責任を問われて辞任に追い込まれました。発言は、閣僚としてだけでなく、社会人としての常識も疑わせるもので、辞任は当然です。しかし、野田政権には、鉢呂氏の辞任ではすまない重大な問題があります。 福島原発事故では、いまだ10万人を超える人々が避難生活を余儀なくされ、農水産業などが受ける経済的損害は膨らみ続けています。政府による放射性物質の本格的除染は手つかずで、子どもをもつ親たちは将来の甲状腺がんなど晩発性の疾病の発症に日々おびえています。 県外に避難した子どもたちが、学校などで“放射能がうつる”などの科学的知識の不足がもたらす心ない言葉によって傷つけられる例まで出ています。鉢呂氏の発言は、そのような被害者の苦しみに対する配慮を完全に欠いたものでした。 鉢呂氏の発言には、原発事故の深刻さへの認識もなければ、原発削減政策への真剣味も感じ