同性愛者の大学生。 ゼミで気になる先輩がいた。初めて会ったときは、すごく無愛想で、人見知りが強そうな印象だった。 けれども、それは最初だけだった。毎月のように飲み会をして、毎日のように会って、すぐに親しくなった。 いつしか、先輩に対して恋愛感情を抱くようになっていた。 ちょっとしたしぐさが、居眠りをしているときの表情が、笑っているときのその顔が、すごくかわいくて、好きだった。 いつもいつも、肩や手が触れそうなくらいの近さで隣を歩いていた。ドキドキして、何も話せないことが多かったけど。 ゼミで雑談をしていたときに、先輩は「同性と付き合うなんて無理ー」とたびたび言っていた。 いつも親しくしてくれているのは、後輩としてかわいがってくれているようだった。 あわよくば、と思っていたけれど、それは叶わないのだと知った。そして、それでもいまの関係が続くだけで十分だと思っていた。 それからしばらくたって、