テレビ版の「孤独のグルメ」(参照)が終わった。見たのは二回目からだったが、その後は最終回の十二回まで毎回待ち遠しく見た。面白かった。原作の漫画のほうは以前に読んでいた(参照)ので、テレビ番組の台詞の元ネタなどが連想できるのも愉快だった。見逃した第一回も、つてあって見た。 「孤独のグルメ」といえば、中年男が誰からも指図されずさして世間にはばかることもなく、ただ自分が旨いと思うものを腹一杯食うという自由と至福が描かれているのだが、テレビ番組では毎回と言ってもよいと思うが、食事のシーンの前に女が出てきた。あるいは食事のシーンに女が出てきた。そしてそれが、女というものの、中年過ぎた男ではないとなかなかわかりづらい独自の感触を表現していた。色っぽいこともあり、母性の表出でもあり、懐かしさでもあるのだが、それが食という行為と交わるところで、孤独とは言い難い、人間の接触でありながら、それでいて奇妙な孤独