ウェーバーについて読み進めてはいますが、なかなかうまくまとまりません…。気分転換の意味も込めて、今回は教育関係の本と取りあげてみたいと思います。広田のこの著書については新書で手に入れやすいものですので、今回はノートを控えたいと思います。 ○本書の概要 本書は「家庭の教育力の低下」が指摘されている(当時の)状況について、実証的見地(歴史的変遷を追う作業を行う中)から、むしろ親のしつけに対する意識については過去に比べても高まっていること、その高まりは大正期ごろから除々に増加してきた「新中間層」が中心となっていることを取りあげながら批判する。そしてそのような「家庭の教育力の低下」言説は、当時の社会病理に対するわかりやすい物語として寄与しているとみる(p197)。 また、それは社会病理に対するある種の「責任」の所在をめぐる問題であるともいえるだろう。その意味では「家庭の教育力の低下」ではなくむしろ