赤字のバスを走り続けさせる以外に、どうすれば交通弱者を切り捨てずにすむのか。会津乗合自動車(会津バス)と会津若松市役所はここ1年、そんな命題に取り組み、最適な「落とし所」を模索するために汗を流してきた。 「まるで自分たちは交通政策をやっているのかと思うほどでした。ピーク時には課員8人全員が路線バスに乗りましたからね」。会津若松市企画政策部地域づくり課の目黒要一課長はそう振り返る。 目黒課長の手元には、会津バスの路線統廃合で使った資料がどっさり。「この路線は、ここの停留所から日中に買い物客が乗って、ここで降ります」「ここからは、午前中に通院するお年寄りがたくさん乗りますが、日中はほとんど利用がないのですよ」。まるで会津バスの社員であるかのような滑らかな解説ぶりだ。 統廃合対象のバスに乗り乗客のリアルな姿を観察 それも無理はない。目黒課長ら地域づくり課の課員8人は2011年のゴールデンウィーク