使用済み燃料の貯蔵プール。福島第一原発の事故を機に、安全対策の強化を求める声が出ている(昨年7月撮影)(高浜町の関西電力高浜原発で) 東京電力福島第一原発(福島県)の事故で、使用済み燃料を保管する「貯蔵プール」が冷却機能を失う“想定外の事態”に、電力事業者が衝撃を受けている。多くの原発で原子炉内をはるかに上回る燃料を抱えながらも、鋼鉄製で頑丈な原子炉格納容器の外にある。想定を大きく超える問題が起きると重大事故につながりかねず、原発の立地する自治体や専門家から、安全対策の強化を求める意見が出ている。(藤戸健志) 貯蔵プールは、原子炉から取り出した高温の核燃料を、数年程度かけて冷却する施設。福島第一3号機では、貯蔵プールの水位が下がり、水素爆発で損壊した原子炉建屋から高い放射線が放出された。原子炉を冷やす緊急炉心冷却装置(ECCS)のような、緊急事態への備えに乏しい。 福島第一と同じ「沸騰水型