吉田元所長の「聴取結果書」には、東京電力本店や民主党政権(当時)の政府官僚とのやりとり、現場の苦悩などが赤裸々に記録されている。その内容は他の関係者らへの聴取記録と共に検証され、政府事故調の報告書[2]に総合的に盛り込まれたほか、国会事故調にも開示された[3] 。 2013年(平成25年)7月9日、吉田は食道癌のため死去[5]。翌2014年(平成26年)5月20日、朝日新聞は、非公式に入手した吉田の「聴取結果書」の内容と称して「平成23年3月15日朝に福島第1原発にいた所員の9割に当たる約650人が吉田昌郎所長の待機命令に違反し、第2原発へ撤退した」などとするスクープを報じた[6][7][8]。これを受け、ニューヨーク・タイムズなどの海外有力メディアは「パニックに陥った作業員が原発から逃走」などと批判的な論調で一斉に報じた[9]。 朝日新聞の報道に対して、吉田元所長本人にインタビューしたジ