「欧州の素粒子物理学研究では日本が大きく貢献しており、多大な協力に感謝しています。われわれの新しいILC計画でも日本に大いに期待しています」 宇宙誕生の謎を解き明かす次世代実験施設「国際リニアコライダー」(ILC)建設計画を進める研究者グループ「リニアコライダー・コラボレーション」(LCC)。その最高責任者(ディレクター)であるリン・エバンス氏は3月27日、首相官邸を訪れ、安倍晋三首相にこう語った。 事実上の立候補要請だった。首相は「ILCは人類の夢ですから大きな挑戦だと思います。今後研究が発展することを期待しています」と笑顔で応じながらも受け入れるかどうかは明言を避けた。 理由は一つ。あまりに巨額な負担が伴うからだ。 昨年12月に公表されたILC技術設計報告書によるとILC本体の建設事業費は8300億円。これに測定機器や関連施設を加えると1兆円を優に超えるとみられる。周辺のインフラ整備を
【北京=川越一】中国紙、中国青年報は23日付で四川省雅安市を震源とする地震で多くの建築物が損壊して死傷者が出たことを受け、「耐震建築について日本に学ぶ必要がある」と訴えた。尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐって対日感情が悪化する中でも、日本の技術を認めなければならないほど、事態が深刻であることを物語っている。 同紙によると、道路が寸断され一時孤立した同市宝興県内では、ほとんどすべての建物が損壊。2008年の四川大地震後に建てられた建物も例外ではなかったという。 四川大地震後に建てられた建物は、マグニチュード(M)8、震度9の地震に耐えられる耐震基準が採用されたが、今回の地震はM7。同紙は地震による損壊にはさまざまな要因があるとしつつ、基準以下の地震で壊れたことに疑いの目を向けている。 さらに、M9の東日本大震災の死傷者が四川大地震の約7分の1だったと指摘。同紙は、日本の耐震基準はM7を想定して
動画サイト「ニコニコ動画」主催のイベント「ニコニコ超会議2」が27日、千葉市の幕張メッセで2日間の日程で開幕し、自民、民主、日本維新の会、共産の4党がブースを出展した。 普段ニコニコ動画上で展開されている企画が一堂に会するイベントで、昨年4月の初回は約10万人が来場、ネットを通じ350万人近くが視聴した。夏の参院選からインターネットを使った選挙運動が解禁されるのを意識し、政党は今回初出展。党首らを投入する熱の入れようで、ネット世代の支持を得ようと「前哨戦」を演じた。 自民党は安倍晋三首相(党総裁)が参加した。会場に持ち込んだ党の街宣車に乗り込み、「必ず強い経済を取り戻す」「いま日本の領海や領土に対する挑戦が続いているが、こうした挑発は決して許さない」と熱弁を振るった。ネット選挙解禁にも触れ、「一緒にネットを活用して日本を変えていこう」と訴えた。 首相はその後、自衛隊・在日米軍ブースにも立ち
NHKが映像を無料配信しているインターネットのサイトに、日本海の表記として、日本政府の見解と異なる「東海」と併記された地図が使われていたことが9日、分かった。NHKは「意図的にそうした表記を使ったものではない」としている。 地図が使われていたのは、BSで放送された番組やNHKが保存している映像をネット上で視聴できる「NHK映像マップみちしる」。日本地図の上に表示された「▽」マークをクリックすると各地の動画が視聴できる仕組みで、NHKは「地域文化を学ぶ学校の授業などでも使用できる」としている。 NHKによると、地図はネット検索大手の「グーグル」から提供されたデータを元に作成。サイトは平成23年7月に開設されたが、「東海」の表記については「いつから掲載されていたか分からない」という。指摘を受け8日午後、「日本海」単独表記に修正した。
先月30日に放送を終えたNHKの連続テレビ小説「純と愛」。期間平均視聴率が、関西地区で15・9%と、過去5作品に比べ低調だった。脚本は、「家政婦のミタ」の最終回で40%という驚異的な数字をたたき出した遊川和彦さんだっただけに、関係者の思いは複雑だ。(横山由紀子)高齢者の支持は得られなかったが… 期間平均視聴率が15・9%(関西地区)というのは、実は歴代朝ドラの中では、驚くほど低い数字というわけではない。関西地区の史上最低は平成21年度の「ウェルかめ」の10・8%、次いで同年度「つばさ」が11・3%を記録している。 その翌年度、転機が訪れた。てこ入れのため、放送時間が従来の午前8時15分から同8時に変更されたのだ。第1作の「ゲゲゲの女房」は関西地区で15・9%、「てっぱん」16・2%、「おひさま」16・5%、「カーネーション」19・6%、「梅ちゃん先生」18・5%と、順調に数字を伸ばしてきた
大阪維新の会所属の井戸正利大阪市議(50)=都島区選出=が、自身のブログで、東日本大震災で発生した可燃がれきの受け入れに反対する陳情書をゴミ箱に捨てた写真を掲載した問題で、井戸市議は2日、「市民を非難する言葉もブログに書いて傷つけた。深くおわびしたい」と改めて陳謝した。記者団の取材に応じた。 井戸市議はメディアなどに対して批判的なコメントを書く橋下徹大阪市長のツイッターを「参考にしていた」といい、「(橋下市長のような情報発信をしたいという思いが)根にあった。(批判してはいけない)相手を間違えてやってしまった」と述べた。当面、ブログやツイッターでの情報発信は自粛する。 井戸市議は3月28日、陳情書をゴミ箱に捨てた写真とともに、「大半は市外からの扇動家が送り付けてきたデマだらけのメチャクチャなもの」「仮置き場である机の上に山積していたのが片付きました。あとは焼却処理あるのみ」と書き込んでいた。
NHKのLNG(液化天然ガス)高騰問題に関する番組で、出演依頼を受けた研究者が取材過程で原発再稼働を容認する発言をしたため、出演取りやめになっていたことが31日、分かった。NHKは「原発ゼロを前提にしており趣旨にそぐわない」と説明したという。研究者は「ビジネス交渉のカードとして最初から原発ゼロを前提にするのはおかしい。公正・中立に疑問を感じる」としている。 問題となった番組は昨年11月28日放送のクローズアップ現代「“ジャパンプレミアム”を解消せよ~密着LNG獲得交渉」。 日本エネルギー経済研究所顧問の十(と)市(いち)勉(つとむ)氏によると、NHKは十市氏に出演を依頼、同21日にディレクターらと打ち合わせた。国内では関西電力大飯原発以外の原発は停止しておりNHKは、輸入が急増し高騰するLNG価格をどう下げるかコメントを求めた。 これに対し、十市氏は(1)LNGの輸入源と調達方法の多様化(
言うまでもなく、新聞報道は実名報道が原則だ。その理由はいくつもあるが、記事の真実性を担保するためには、実名報道は欠かせない。 だが、実際の編集作業では、実名、匿名の取り扱いについて迷うこともある。 数年前、首都圏の総局でデスクをしていたころのことだ。ある夜、女性から困ったような声で総局に電話があった。 「息子が逮捕されてインターネットに記事が出ているんですが、名前は削除してください。息子は重い病気なんです…」 親心、なのだろう。確かに、この女性の息子と思われる男性が事件の容疑者として逮捕されたという記事は、私がデスクとして出稿し、MSN産経ニュースに掲載されていた。病気のことは電話で初めて知ったので、記事には書いていない。容疑は必ずしも微罪とはいえなかったが、「重い病気」という言葉が気にかかった。結局、自分の判断で記事から氏名を削除した。 女性からは翌日、お礼の電話があった。だが、実名報道
インターネットを使った選挙運動の解禁を見据え、各党が専門家を招いた研修会やPRに向けた取り組みを活発化させている。とはいえ、初の試みだけに、実際に選挙戦を戦う立候補予定者からは不安の声も。7月4日公示・同21日投開票が有力な参院選まであと約4カ月。各党は手探りの中、準備を進めている。 ネット選挙解禁の最大の懸念は、第三者が候補者をかたって勝手に情報発信する「なりすまし」だ。 「典型的な名前」で、すでに被害経験があるというみんなの党の山田太郎参院議員は19日、党主催の説明会に出席。ネット業者「GMOグローバルサイン」の役員が「議員本人のホームページと証明する『サイトシール』を貼れば防止できる」と説明すると、「サイトシールの普及は非常に重要だ」と納得顔を見せた。 自民党有志は19日、ネット利用を推進する議員連盟の設立総会を開いた。講師は短文投稿サイト「ツイッター」の日本法人代表、近藤正晃ジェー
九州の片隅にある市役所3階に「facebook」の青い看板が誇らしげに光っていた。温泉で知られる佐賀県武雄市。世界で8億人が登録するインターネットの交流サイト「フェイスブック」を4月から実名で業務に使うことを全職員390人に義務づけた。 市は昨年8月、公式サイトをフェイスブックへ移行した。月5万件だった訪問数は330万件へ激増した。職員のうち101人はすでに実名で利用しており、市フェイスブック係の山田恭輔係長(43)は昨夏の豪雨の際、増水した川を携帯で撮影して載せた。山田さんは「市民から『状況が分かり助かった』と投稿があった。素早い情報発信ができた」と話す。 「イノシシを駆除して」といった陳情を書き込むと担当課が受け付ける。トップダウンで進める総務省出身の樋渡啓祐市長(42)は「市民とのやり取りが可視化され、お役所仕事は通じなくなった」と語る。 ただ、市内のパート、森佳子さん(64)は「パ
インターネット上の百科事典、ウィキペディアにならって埼玉県深谷(ふかや)市で昨年10月、地域密着型のオンライン百科作りが始まった。名前は「フカペディア」。商店主らが地元について記事を書く。発案者の古書店主、入江明さん(62)は「みんなで作ると、深い知識が集まる」と話す。 本家は2001年、米国で生まれた。現在は285の言語で書かれ、訪問者数で世界5位のサイトへ成長した。 英語版の記事は415万本、日本語版は84万本。グーグルの検索結果で上位に表示されるよう調整されているなど、社会の情報インフラとなっている。 近年はウィキペディアの情報資源を使った学術、商用サービスの開発が進む。東京大学「知の構造化センター」の中山浩太郎特任講師(34)=情報科学=は「どんなに膨大な情報がネット上にあっても、単にあるだけでは利用し難い。ウィキペディアは大量の情報が体系化され、多言語で利用できる点で、現存する知
□『碧空(あおぞら)のカノン 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート』 ■自衛官と演奏家のギャップ テロや大停電など危機的な状況下での緊迫感のある物語を紡いできた。今作はずいぶん趣が違う。等身大の20代女性を主役に据えた軽やかな連作短編集に仕上がっている。 「いつもの血なまぐさい話は封印して温かくて優しい感じに、と。私のメンタルは完全におじさん。男性主人公の方が自分が入っている気がしますが…」と笑う。 舞台は、東京・立川に実在する航空自衛隊航空中央音楽隊。音楽大を卒業しアルトサックスを吹いている鳴瀬佳音(なるせ・かのん)は少しドジな女の子。個性的な仲間に恵まれ、自衛官としての厳しい訓練と練習に励んでいたが、市民との親睦(しんぼく)コンサートを控えたある日、自分が担当するパートの楽譜が消えてしまう。 誰もいない学生寮の部屋で鳴り響く目覚まし時計に込められた思い、中学校の吹奏楽部での楽器パーツ紛失事件
昨年12月8日朝、石川県金沢市の石川護国神社で、22歳の金沢大生が切腹自決した。彼は北海道出身で金沢市に住む大学4年生、Sさんであった。警察が調べたところ、腹部と首に深い刺し傷があり、近くにはナイフと透明のビニールシートにくるまれた日章旗があった。 Sさんはナイフで腹を十字に切った後、自ら頸(けい)動脈を切って自決したものと判明した。この日は小雨が降っており、国旗を濡らさないようにビニールに包んだものと思われた。彼は黒のスーツにワイシャツ姿で、靴は脱いでそろえておいてあり、同日未明に人知れず自決したものとみられた。 彼が切腹した場所は、護国神社の境内でも奥まったところにある清水澄博士顕彰之碑の前であった。清水博士は慶応4年、金沢市の出身、東京帝大出身の憲法学者で、大正天皇、昭和天皇に憲法を講義したこともあった。その後、枢密顧問官などをへて、昭和21年から最後の枢密院議長を務めた。戦後の新憲
「パソコンに詳しい人知りませんか」-。遠隔操作ウイルス事件で、「真犯人」からのメールに添付されていた画像が撮影されたとみられる横浜市保土ケ谷区の団地では14日、県警や警視庁など4都府県警の合同捜査本部の捜査員が聞き込みに回った。捜査員の突然の来訪に、住民は一様に驚いた様子だった。 画像の撮影地として全地球測位システム(GPS)で位置情報が特定されたのは同区内の団地の一棟。周囲に学校や公園などがある住宅地で、早朝から捜査員が一世帯ずつ訪問して聞き込みを開始した。 「パソコン持ってますか」「引きこもりみたいな人知りませんか」 捜査員らは家族構成なども確認。特定された棟だけでなく、周辺の棟にも範囲を広げて聞き込みは夜まで続けられたが、「真犯人」につながる手がかりは得られなかった。 ある捜査幹部は、「真犯人」の身体的特徴などが分からないため、「聞き込みだけで特定していくのは難しい」と話す。また、別
グローバル化が進み、大学や企業は今、世界中で特許を取得する必要に迫られている。ただ、思わぬ難題に突き当たるケースも少なくない。京都大学iPS細胞研究所を舞台に、海外での知財戦略の課題を探ってみた。 「なぜ、米国では特許審査にこれほど時間がかかるのか。遅すぎる」 山中伸弥教授(49)が所長を務める「京都大学iPS細胞研究所」(京都市左京区)には、焦りといらだちが交錯していた。平成22年から23年初夏にかけてのことだ。 山中教授が発明したヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製技術は、平成20年9月に日本で最初の特許が成立。その後、1~2年で南アフリカやロシアなどでも同様の特許が相次ぎ成立していった。 しかし、他国と同じ時期に出願したものの、特許が成立しない国があった。医療先進国の米国だ。米国の医薬品市場は約27兆3千億円(2010年実績)と日本の3倍で、山中教授らのライバルとなる企業は無数
創薬や医療など幅広い分野にわたり、応用が見込まれる人工多能性幹細胞(iPS細胞)。ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大の山中伸弥教授のもうひとつの“功績”は、日本発の先端技術としてiPS細胞の国際特許を確立したことだ。世界を見据えた知財戦略は、iPS細胞研究の普及を促すとともに、『iPS=山中教授』との認識を世界に広め、異例のスピード受賞にもつながった。 山中教授が所長を務める京大iPS細胞研究所(サイラ)には、特許出願や管理を担う「知財契約管理室」がある。 「京大に来てもらえないでしょうか」 製薬会社の知財部門に在籍していた高須直子氏に、山中教授が頭を下げて室長就任を請うたのは4年前のことだ。企業が特許を取得すると特許料が高騰する可能性があり、係争に発展すれば研究にも影響する。 サイラでは高須室長ら、知財の“プロ”4人が週に1回、研究者たちが開く進行状況報告会に参加し、必要と判断すれば
米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)5」の注文受け付けが始まった翌日、近所の携帯電話ショップに早速、予約に行った。店員は「2日間で予約は300件を超えました」といささか疲れた様子。 手続きを終えて、さて帰ろうとすると、店員が「ちょっと、お待ちください。タダで高速無線通信ルーターがもらえるサービスがあります」。自宅のインターネット回線と合わせたサービスで、端末代金がただになるという。 が、機器についた商標が「HUAWEI(ファーウエイ)」となっているのを見て契約するのをやめた。店員は理由がわからず、当惑しているようだった。 たしかにファーウエイは、世界最大の通信機器メーカーで、いまや日本の次世代高速通信(LTE)用を含む携帯無線ルーターは同社製がほとんど。主力と位置づけるKDDI(au)、ソフトバンクモバイル、イー・アクセスはもちろん、NTTドコモも同社
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