◇専修大・田村理教授インタビュー 憲法はそもそも何のためにあるのか? 「公権力に歯止めをかけ、必要なことをさせる使い道を決めるもの」。専修大学法学部の田村理教授(憲法学)の答えは明確だ。こうした考えを「立憲主義」と呼ぶ。では、どう使っていくのか。9条やヘイトスピーチ、同性婚を題材に田村教授と一緒に考える。【石戸諭/デジタル報道センター】 【施行から68年】日本国憲法どこへ?問い直される「理念」 立憲主義を大事とする理由は明確だ。「国や内閣といった公権力は余計なことをしてしまうこともある」から。憲法は公権力に必要なことをさせ、余計なことをさせないことを定めた規定なのだ。 「立憲主義」という言葉がメディアで多く使われるようになったのは2010年代から。田村教授はその背景を「冷戦構造も終わり、日本の国際貢献と安全保障が議論される中で(憲法9条を)『護憲』と言えば支持が集まる時代ではなくなっ