一線越えた壮大な挑戦=「通貨堕落」に懸念も−日銀緩和策 一線越えた壮大な挑戦=「通貨堕落」に懸念も−日銀緩和策 黒田東彦総裁率いる日銀が「量的・質的緩和」に踏み切った。白川方明前総裁とは次元の異なる大胆な姿勢は株高をもたらし、市場は歓迎ムードだ。ただ、黒田日銀による壮大な挑戦は、「通貨堕落」を通じた深刻な副作用を招く恐れがある。 中央銀行としての独立性を明確にした1998年4月の日銀法改正以降、白川氏まで日銀プロパーの総裁が3人続いた。この間にデフレ脱却を果たせなかった責任は重いが、金融緩和で手を抜いたわけではない。必死に緩和策を模索し続けたものの、「一線を越える」のをためらったことが裏目に出た。 その一線とは「通貨価値を意図的に下げる」ということだ。モノに対するお金の価値が相対的に高い状態をデフレと定義すれば、お金の価値を意図的に下げればいい。際限なくお金を出し(無限の量的緩和)、リ