令和元年7月18日に起きた京都アニメーション放火殺傷事件。犯人である青葉真司の足跡を辿ると、祖父、父、そして妹が揃って自殺していたことが判明。「呪われた」としか言えない青葉家の歴史に迫る。令和元年に起こった象徴的な事件を追うノンフィクション『令和元年のテロリズム』(新潮社)を刊行したライターの磯部涼氏によるルポ。連載第8回。 【写真】青葉が最後に暮らしたアパート *** 青葉真司が生まれてから京都に向かうまでの41年間の歩みを車で辿っていると、とあるエリアをぐるぐると回ることになる。そして窓の外を流れる広大な田畑と面白みのないロードサイド店舗を見続けることになる。青葉は埼玉県南東部から茨城県南西部にかけての各所を転々として半生を過ごした。つまり彼は北関東(*8)ののっぺりとした風景に半ば閉じ込められていたわけだが、そこを抜け出すための出口と定めたのが〈京都アニメーション大賞〉で、しかし穴の
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