それはほんの一瞬でした。看護師が注射器を持ち、シャツをまくり上げた左腕に針を刺しました。それから数十秒で、私の検査はあっけなく終わりました。この検査を受けたことがよかったのかどうか、今も悩んでいます。命に向き合うという覚悟のないまま、私と夫にまだ見ぬ我が子の運命が委ねられたのです。 (ネットワーク報道部記者 野田綾) 私は保育園と小学校に通う子どもがいる40歳。去年、3人目の子どもを妊娠しました。これまでの2人の子どもの妊娠とは、少し違った思いがありました。 体力も落ちている、仕事をしながら小学校と保育園の送迎に家事。分刻みの生活の中、3人をしっかり育てられるのだろうか。もしも子どもに障害があったら、どうすればよいのか。 そうした思いで受けたのが「新型出生前検査」でした。