「夫婦別姓」という単語を覚えたのは同じ学年の子よりも早かったはず。小学校低学年くらいには使っていた。 「あーちゃんのパパとママはなんで苗字が違うの?」と友達に聞かれ「うちは夫婦別姓なんだ!」と難しい言葉を知っている自分すごい!と思いながら答えていたのをうっすらと覚えている。 そう、小学生の私は夫婦別姓が日本で認められていると思っていた。 一緒に住んでいるパパとママが結婚しているのは当たり前だと思っていて、苗字が違うことに対して疑問なんて持ったことはなかった。「夫婦別姓だから」というのが小さい私の理解だった。 今でも覚えている中学3年生の家庭科の授業。正直、家庭科の授業は実習ではない限り真面目に授業は聞いていなかった。その日もなんとなく黒板にある文字をノートにうつしながら、ふわふわとぼんやり過ごしていた。眠気を誘うおばあちゃん先生の声の中に自分の知っている単語が入ってきた時、胸がドキっとなっ