妊婦健診を受けず、突然病院に来院して出産する「飛び込み出産」。県産科婦人科医会が八つの基幹病院の実態を調べたところ、今年は4月までに35件あり、年間で100件を超えそうな勢いで増えている。その背景には非正規雇用などからくる経済的な厳しさや出産への知識不足が浮かび上がる。飛び込み出産は妊婦や赤ちゃんの命に危険を及ぼすこともあり、こうした孤立した女性をいかにサポートしていくかが問われている。格差社会のある一面とも言えそうな飛び込み出産の現場を見た。 (赤木桃子) 「健診を受けるにもお金がなかった。子どももいて、自分の体のことで行く余裕は精神的にも物理的にもなかった」 ある基幹病院で今年、飛び込み出産した30代の女性は、ソーシャルワーカーにこう説明した。 夫は日雇いの作業員。仕事がある月とない月があり、収入は不安定だった。夫の収入だけで生活するには厳しく、出産前は子どもを寝かしつ
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