この連載コラムでは、中国のみならず、台湾、香港、東南アジアを含む「グレーターチャイナ」(大中華圏)をテーマとする。私は20代から40代前半の現在まで、留学生や特派員として、香港、中国、シンガポール、台湾に長期滞在するチャンスに恵まれた。そうした経験の中で培った土地勘を生かし、「大中華圏」 での見聞を硬軟取り混ぜて皆さんにお伝えしていきたい。 共産党指導部のかつてない大ナタ このほど中国で開かれた元重慶市トップ・薄熙来の汚職事件の裁判の様子が、中国版ツイッター「微博」(ウェイボー)で実況中継された。あたかも中国の情報公開が微博を通じて前進しているかのようなイメージで伝えられたが、それはまったく正しくない。 むしろ今、中国人にとって最大のSNSツールとなった微博に対して、共産党指導部は、かつてない大ナタを振るおうとしているのである。 中国には「整風」という怖い言葉がある。もともとは風紀を整える
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