飼育施設の敷地内を探索するパンダの母子。四川省の臥龍中国パンダ保護研究センターで。(PHOTOGRAPH BY AMI VITALE, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 2021年7月、中国当局はジャイアントパンダに対する30年におよぶ保護施策が功を奏し、野生下の個体数が倍増したとして、絶滅危惧種から外すと発表した。 国際自然保護連合(IUCN)は2016年の時点ですでに、ジャイアントパンダの危機の度合いを絶滅危惧種(Endangered)から危急種(Vulnerable)に引き下げていたが、中国の一部の研究者と当局は、この評価は時期尚早であり、パンダ保護活動を弱体化させかねないとして、引き下げを受け入れていなかった。 だが、2016年以降、状況は大きく進展した。中国は、四川省を中心に、既存のパンダ生息地の70%を包括する新たなジャイアントパンダ国立公園を設立することを決