2023年度に年始まった長期脱炭素電源オークションは、容量市場オークションの一種で、長期的な供給力の確保を目的とした新制度です。2024年4月26日に公表された初回入札の結果を見ると、蓄電池の入札が非常に多かったことが分かります。そこで今回は、蓄電池案件が殺到した背景や第2回の入札に向けた制度変更について解説します。 【質問1】長期脱炭素電源オークションの初回入札は、蓄電池への応札の集中が顕著でした。この制度は、主要な参加電源として蓄電池を想定していたのですか。 【回答1】 長期脱炭素電源オークションの制度設計議論において、蓄電池は必ずしも主たる対象電源とは想定されていなかったように思います。 長期脱炭素電源オークションの制度設計は、2019年の「持続可能な電力システム構築小委員会」にさかのぼりますが、当時はまだ系統用蓄電池を導入する動きはほとんどありませんでした。系統用蓄電池事業への参入