ゼロ年代。あらゆるジャンルで状況の細分化、興味の拡散が取り返しのつかないレベルで進行した(少なくとも、そのことに確認的に言及できるようになった)ディケイドである。今やわれわれは、SNSのタイムライン(=鏡)に向けて話しかけ、ただ虚しくすれ違うばかりだ。実際のところ、映画においてもそれは同じようで、以下のベスト・リスト群を眺めてもらえば分かると思うが、「これは本当に同じディケイドについてのベスト・リストなのだろうか?」と思わず疑ってしまうほど、それは中心らしい中心を欠いている。 ポール・トーマス・アンダーソンの『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』以外にマスターピースは生まれなかったとでも言わんばかりの誇らしげなリストがある一方、ポール・トーマス・アンダーソンなど眼中にない、ゼロ年代はデヴィッド・リンチが『マルホランド・ドライブ』を生み、そこで終わった、とでも言いたげなリストもある。何かが欠けてい
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