社内リソースを活用し、ユーザー企業主導でシステムを作る「内製」。日経コンピュータの特集記事「創造的 デジタル内製」では、パブリッククラウドの力を頼み、自らの手でビジネスシステムを生み出すユーザーを多数紹介した。並んだ事例を見直して感じるのは、システムインテグレーション(SI)を“メシの種”としてきたSIerの既得権が、次々とクラウドに奪われるすさまじさだ。 記事で真っ先に紹介したのは、毎日新聞社のニュースサイト刷新プロジェクトである。 CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)をはじめ、新聞制作システムとの連携機能などをアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)上に構築。事業部門であるデジタルメディア局のメンバー20人弱が中心となり、SIerに頼らず内製した。 事業部門主体で内製に踏み切った理由は二つある。一つは、“かゆいところに手が届く”システムを作るには、利用者主導が得策と判断したからだ。