「トーンポリシング」という言葉があるように、差別や抑圧について怒ると、決まって「感情的だ」と言う人がいる。そういう人は、どうやら自分のことを冷静だと思っているようだ。 世の中には、「感情的な人は、ちゃんとした議論ができない」「感情的な人は正しくない」という思い込みがある。しかし、これはあくまでも、両者が対等なテーブルについていることを前提とした場合だけである。そもそも両者が対等ではない場合、特に、一方が抑圧する側でもう一方が抑圧される側である場合には、この前提は成り立たない。 例えば、こういうケースだ。 パワハラを受けて、思い出そうとするとPTSD症状が出て、過呼吸になって取り乱してしまう元社員と、平然としているパワハラ上司。 過労死で亡くなった元社員の遺族と、何が悪かったのかさっぱりわかっていないブラック企業経営者。 いじめを受けて、必死で反撃する子供と、へらへら笑っているいじめっ子 か