2011/9/1211:3 ウィキリークス「未編集公電公開事件」とリーク社会の今後 塚越健司 昨年からウィキリークスが段階的に公開を開始している25万1287件の「米外交公電」。しかし2011年9月1日、ウィキリークスは段階的公開をとりやめ、一挙にすべての公電を公開した。量が多い分には問題ないが、じつはこの公電、ウィキリークスがジャーナリズムとしてその活動をアピールするために必要な、ある「加工」が欠如した状態で公開されてしまった。その加工とは、公表されることで生命の危険が及ぶと思われる人物等の氏名削除という編集作業である。 ■事件の経緯 事件を簡単に追ってみよう。 事の起こりは2010年末〜2011年のはじめにかけてのことだ。ウィキリークスは、「米外交公電」以前に自らが公開した膨大な量のリーク情報をすべてネット上に公開した。具体的にいえば、P2P(peer to peer)を用いたファイル