「野党が解散権を握る政局なんてない。こんなチャンスに何をやっているんだ」――。自民党の石原伸晃幹事長にこう喝を食らわしたのは、政界と縁を切ったはずの小泉純一郎元首相(70)だ。7月28日、都内のホテルで偶然、伸晃に出くわすと、10分間にわたって叱責したという。 小泉がハッパをかけた相手は伸晃だけではない。7月末には突然、大島副総裁に電話を入れ、「今が勝負時だ。3党合意なんて破棄しろ」と迫ったというし、7月中旬には都内某所に谷垣総裁を呼びつけ極秘会談。「消費税を人質にして、野田首相に解散の確約を迫る。増税法案を通してからでは相手に逃げられるだけ。不信任案を出してでも、解散に追い込め」と説教を垂れたというから、「政界の黒幕」そのものだ。 こうなると、小泉ジュニアが谷垣に「3党合意の破棄」を直訴したナゾも納得である。 「実際、進次郎議員が3党合意破棄の口火を切った途端に、自民党内の倒閣ムー