マウの息子マーウ、その息子ママーウは、頭に宝石鳥の羽根飾りを七十八もつけ、サメの歯を二千も埋めこんだ棍を持ち、ワニの頭の具足と、白人どもの貨幣をぎっちりと編み込んだかたびらを身につけていたので、しばしばそれらの重みで動けなくなった。 かれは白人たちに与えられたマウマウ族の自治区に住んで、毎日大好物のチョコレートを食べてふくふくと太っていた。いつの間にか白人が作っていた政府から、毎年たくさんの補助金がもらえるし、白人の観光客に木や動物の骨で作ったくだらないおもちゃをたくさん売りつけることができたので、ママーウは金庫いっぱいにかれらの大統領の顔が印刷された紙幣をもっているのだった。 マウマウ族はこの地域で唯一残った先住民の部族だった。彼らのもとにはヒッピーかぶれのジャーナリストやカメラマンがたびたび取材や助けをもとめにやってきた。彼らはみなママーウの話をおおいに聞きたがった。 ママーウは