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ブックマーク / macramek.blog.fc2.com (3)

  • 食人大陸まうまう 食人大陸まうまうのおはなし 1

    マウの息子マーウ、その息子ママーウは、頭に宝石鳥の羽根飾りを七十八もつけ、サメの歯を二千も埋めこんだ棍を持ち、ワニの頭の具足と、白人どもの貨幣をぎっちりと編み込んだかたびらを身につけていたので、しばしばそれらの重みで動けなくなった。  かれは白人たちに与えられたマウマウ族の自治区に住んで、毎日大好物のチョコレートをべてふくふくと太っていた。いつの間にか白人が作っていた政府から、毎年たくさんの補助金がもらえるし、白人の観光客に木や動物の骨で作ったくだらないおもちゃをたくさん売りつけることができたので、ママーウは金庫いっぱいにかれらの大統領の顔が印刷された紙幣をもっているのだった。  マウマウ族はこの地域で唯一残った先住民の部族だった。彼らのもとにはヒッピーかぶれのジャーナリストやカメラマンがたびたび取材や助けをもとめにやってきた。彼らはみなママーウの話をおおいに聞きたがった。  ママーウは

  • 食人大陸まうまう グールなび 「中国野菜は危険だ! 血まみれ殺人野菜ゴーレム」 2

    パート1  「明日死ぬかも、かあ」  硫子はさんざん迷ったすえ、高価い缶詰は買わずに、隣の屋台で肉の串焼きを買った。何の肉かは書かれていなかったが。べ慣れた味がするから人間にまちがいない。東京で単に肉といったらふつう人肉をさすのだ。  串焼きの表面には、キラキラ光る謎のスパイスがごってり振りかけられていて、べるとじんわり口の中がしびれる。べればべるほど味がわからなくなる。売っている人間はネオきなこと呼んでいたが、正体はわからない。  硫子は焦げた肉をほおばりながら、さっきよりも警戒しつつ歩いた。止まってべればいいのかもしれないが、いつもの癖で落ち着いて事ができないのだった。  しかし、警戒もあながち無駄ではなかった。何者かが硫子の背後をつけてきていた。彼女が人混みをすり抜けると、背後にいる人間もあわてて追ってくる。今度は松と違って、気配はバレバレだ。尾行は素人のようだし、新人の

  • 食人大陸まうまう グールなび 第三話 「血肉山河! クッキンアイドル曖昧まいん!」 パート1

    前回のあらすじ  料理人を情報戦で滅ぼすという「グールなび」計画に協力を決意した硫子。彼女の前に立ちはだかったのは、外道松と名乗る回復系サムライ、そして材をゾンビ化させる奥義「活け造り」によりゾンビ化された燃えさかる牛だった。舌という弱点を突かれ、空手の技も通じない難敵を倒した硫子、その行く手にはどんな運命が待ち受けるのだろう。  「みんなこっちを見てるな」  観客席に人造イクラのようにつまったサラリーマンの群れは、血に飢えた視線をぎらぎら硫子たちに向けている。  硫子と外道松の焼き肉対決から一週間が経っていた。ここは東京のカブキチョウの中心地、かつてコマゲキジョウと呼ばれた場所である。現在ここにあるのは、現代東京のサブカルチャー、アングラ闘技場「ネクロプラスワン」である。イベントのたびに誰かが必ず死ぬ、それがネクロプラスワンの売りだ。  ここ東京で料理人階級に支配されるサラリーマンた

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