角川つばさ文庫から『シートン動物記』が刊行されました。「ビンゴ わたしの愛犬」「オオカミ王ロボ カランポーの支配者」「ギザ耳 あるワタオウサギの物語」「灰色グマの一代記」の4編が収録されています。わたしの訳書としては、『ミケランジェロの封印をとけ!』以来4年ぶりの児童書です。 日本では《シートン動物記》として何種類もの訳書がシリーズとして出ていますが、そのようなシリーズがもともと存在していたわけではなく、シートンが遺した50余りの物語を日本で一括してそのように呼んできただけです。今回収録された4編のうち、「灰色グマの一代記」を除く3編は、シートンの第1作品集であるWild Animals I Have Known におさめられていたものです。 シートンの原書は今回初めて読んだのですが、かなり難解な比喩があったり、ブラックユーモアに近いものがあったりで、子供向けに書かれているとはとうてい言え
![『シートン動物記』について - 翻訳百景](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b9cd44293465676640451dbeb5d3320a46953d61/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Ftechizen.cocolog-nifty.com%2Fblog%2Fimages%2F2012%2F12%2F14%2Fphoto.jpg)