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ブックマーク / akihitok.typepad.jp (38)

  • 消すことで見えてくるもの――映画『ゼロ・グラビティ』

    久しぶりに、封切り間もない映画を観ることができたので少し。『ゼロ・グラビティ』、昭島の映画館で観てきました。小学生の娘と一緒だったので、吹き替え版の3Dで。 とにかく映像表現が素晴らしいという前評判だったので、かなり期待して行ったのですが――そんな高いハードルを軽々と上回るほどの出来映えでした。僕は幸か不幸か3D酔いはあまりしないタイプなので平気でしたが、人によっては影響があるかもしれません。そしてテーマそのものが「宇宙で遭難する絶望感」であり、その辺りを徹底的にリアルに描いているので、これも人によってはホラー映画以上の恐怖を味わうかもしれません。 そんなリアル感を増しているのが、「余計な映像を入れない」という作り方です。ネタバレになるので詳細は書きませんが、「普通の映画でこのエピソードを描くならこんなシーンを入れるよなぁ」と思うようなシーンが一切ありません。基的に登場人物は2人の宇宙飛

    消すことで見えてくるもの――映画『ゼロ・グラビティ』
  • 日本人とクリスマスとアダルトサイト

    気づいたら一ヶ月後はクリスマスイブ。ということで、なかなか興味深いアクセス解析結果を紹介している記事を: ■ Pornhub Traffic Trends Driven by Worldwide Events (PornHub Insights) PornHubとはアダルト映像版YouTube的なサイトだとお考え下さい。当然ながら同サイトへのアクセスはすべてデータとして記録され、いつ、どんな国から、どの程度の量のトラフィックがあったかを解析することができるわけですね。 あらゆる行動がデジタル化される現代、ということで、アダルトな行為も例外ではありません。というよりアダルトが新技術を牽引するという話もあるわけで、むしろデジタル化が進んでいる領域とも言えるでしょう。 そしてデジタル化された行動は、あとからいくらでも分析することができます。先月参加したStrata Conferenceでも、米国

    日本人とクリスマスとアダルトサイト
  • 「3Dプリンタ政策」が争点になる時代に?

    クリス・アンダーソンの新刊も予定されているということで、2013年にかけて3Dプリンタ界隈が騒がしくなるだろうと見守っているわけですが、彼の言う通り「21世紀の産業革命」まで起きるとなると政策レベルでの対応が必要になってきます。ということで、英国ではBig Innovation Centreという団体が、政府に対してこんな提言を行っていたり: ■ Three Dimensional Policy: Why Britain needs a policy framework for 3D Big Innovation Centreとは英国の非営利団体The Work Foundationとランカスター大学のイニシアチブで2011年に設立された団体で、官民学共同で様々なリサーチを行い、英国をイノベーションの中心地とするための提言を行ってゆくことが目的だそうです。ともあれ彼らが3Dプリンタのポテン

  • キネクトが可能にする自宅リハビリ

    なんかキネクトネタが続いているような気もしますが(Yahoo!ニュースに投稿した見取り図自動作成技術にも関係してるし)、気にせずいきましょう: ■ West Health Institute Unveils New Kinect-based Physical Therapy Technology, Launches Research Studies with Naval Medical Center San Diego キネクトに限らず、Wiiなど体の動きを取り入れることのできるコンソールを利用することで、高齢者や患者の運動促進・リハビリに役立てられるのではないか?というアイデアは以前からあったのですが、それを米カリフォルニア州のWest Health Instituteという非営利研究組織が実用化させたという話。Reflexion Rehabilitation Measurement T

  • 空の上の民主主義

    民主主義の国であるはずなのに、自分たちの声が政治に反映されない――そんな思いが各国でデモ活動が盛んに行われるようになっている一因なわけですが、一方で選挙という制度を少しでも機能させるためには、投票率を上昇させる努力も引き続き行わる必要があるでしょう。それには従来以上に選挙を身近なものにしてゆかなければなりませんが、ヴァージン・アメリカ航空がこんな試みを行ったとのこと: ■ Virgin America offers voter registration at 35,000 feet (Springwise) 米国では18歳以上の市民が大統領選挙での投票権を持っていますが、投票するためには事前に「有権者登録」を済ませておかなければなりません。登録はオンラインでも可能なものの、人間は質的にグズな存在ですから、やろうやろうと思っていても結局やらないことが多いもの――ということでヴァージン・アメ

    空の上の民主主義
  • POLAR BEAR BLOG

    竹書房文庫から11月に発売されたSF小説『ダリア・ミッチェル博士の発見と異変』を読み終えたので、感想を少し。 この作品は「2028年に出版されたノンフィクション」という体裁を取っていて、内容もさまざまな関係者へのインタビューや公的記録、個人が記した日記など(を装った文章)で構成されています。その目的は、2023年に起きたある事件の顛末を描くこと。映像作品の世界には、フェイクでありながらあたかも物のドキュメンタリーのように映像を綴る「モキュメンタリー」という手法がありますが、それを文章で表現したような体裁になっています。 では2023年に起きたのはどのような事件だったのか。前述の通り、書は2028年に出版されたという体になっている、つまり読者はみなその事件についてある程度の知識を持っている前提になっているため、冒頭で全容がネタバレされます(あくまで2021年を生きている私たちにとっての

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  • 政治広告の裏側を見抜くアプリが登場

    世はまさにアプリ時代。ゲームから勉強、運動、健康管理、さらには有権者の個人情報収集までアプリでできてしまいますが、ついに政治広告の裏側を暴いてくれるアプリが米国に登場したとのこと: ■ Super PAC APP テレビの音を拾うだけで、画面上で流れているのが何の番組かを把握、その番組に「チェックイン」することを可能にするShazamというアプリがあるのですが(他にも類似アプリが存在します)、Super PAC APPも同様の解析を行ってくれます。ただし識別するのは政治的意見に関するCM。識別した上でそのCMの広告主(政治団体)は誰か、彼らはどのような主張をしていて、誰を支持しているのか、どのくらいの資金力があるのかといった情報を教えてくれる、という仕組みです。 さらに特定されたCMに対して評価(好ましい、公平である、疑わしい)を行ったり、コメントをつける機能も提供されています。なのでCM

    政治広告の裏側を見抜くアプリが登場
  • ゲームの必勝法を「見て」編み出す機械

    適切なフィードバックを与えることで、機械自らに正しい答えを考えさせる機械学習の世界。先日もMUNI(サンフランシスコ市営鉄道)が機械学習を応用した新しい監視カメラシステムを導入し、映像から自動的に不審者を割り出す試みを行っているというニュースがありましたが、Wired UKの記事によれば、今度はゲームをプレイしている映像を見せるだけで、必勝法を編み出すことのできるプログラムが開発されたとのこと。 開発したのはパリ・ディドロ大学(第7大学)のコンピュータ科学者、Łukasz Kaiser氏。四目並べ(Connect 4)や五目並べといった簡単なパズルゲームを遊んでいる映像(勝ち負けがつくパターンや引き分けで終わるパターンなど数種類)を用意し、それを画像解析技術を通じて機械に学習させることで、たった2分間の映像だけで勝ち方を考えさせることができるのだそうです。 しかも面白いことにこのプログラム

    ゲームの必勝法を「見て」編み出す機械
  • ツイッター・プロパガンダを見分ける4つの特徴

    相変わらず日では選挙活動におけるネット利用が認められていませんが、米国では既に常識。バナー広告からソーシャルメディアのクチコミに至るまで、様々な形でネットが活用されています。そうなると気になるのが、ある書き込みがユーザーの心なのか、それともプロパガンダに近い宣伝なのかという点――ということで、ジョージア工科大学が過去のデータを分析し、ツイッター上のプロパガンダを見分ける4つの特徴を発見したとのこと: ■ Four Telltale Signs of Propaganda On Twitter (Science Daily) ジョージア工科大学のNick Feamster准教授らによる研究結果について(ちなみにオリジナル論文のPDFはこちら)。彼らは2010年に行われた連邦議会上院議員選挙のネバダ州での状況と、2011年の債務限度額引き上げをめぐる議論の状況を分析。具体的には、それぞれの

  • Studygiftと理想の大学生

    語りつくされた感もありますが、Studygiftのことについて少し。初耳だよという方のために簡単に説明すると、いわゆるクラウドファンディングのサービスで、何らかの理由で学費が払えない学生さんに対して寄付が行えるというもの。CAMPFIREの学生版、などという例え方をされる場合も多いです。 そしてStudygiftで支援する学生第一号として選ばれたのが、Google+で一時期日人フォロワー数第一位になったこともある坂口綾優さん。あっという間に支援が集まり、サポーター190人から95万円を集めて支援目標額を達成しました。ちなみに寄付を行った支援者に対しては、「ニュースレターの配信」や「サポーター集会への参加」といった対価(?)が提供されるとのこと。 とここまでは簡単な構図なのですが、坂口さんが成績の低下から奨学金を停止されていたこと、勉強だけでなく遊びにも力を入れたいと(感じられる文章を)書

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  • 虐殺とプライバシー

    些細なデータの山でも高度な分析を行うことで、女性買い物客の出産予定日まで分かるという時代になっているわけですが、それはとりもなおさずプライバシー侵害への懸念が高まることも意味しています。もちろんプライバシーを守ることは重要な問題であるとはいえ、その対価として得られるものが非常に大きくなる場合にはどう考えるべきなのでしょうか: ■ Bizarre Insights From Big Data (New York Times) 中でこんな話が紹介されています: A few years ago I was speaking with the founder of an African mobile phone company, called CellTel. He told me that his company realized that they could predict the loca

  • 「気づかれない問題」を可視化するためのAR

    ITを社会問題のPRに利用する。様々な例がありますが、ちょっと前にもこんな話をご紹介していました: ■ バーチャル・ホームレス ホームレスの姿を壁に投影することで、問題が存在するということ、そして人々の関与で問題は解決し得るのだということを示そうという試みでした。今回の事例も、これと同じ発想だと考えられるかもしれません: ■ Augmented Reality Billboard shows us our ignorance (Coolest Gadgets) AR(拡張現実)技術と大型スクリーンを組み合わせ、社会問題に目を向けてもらおうというアイデア。オランダのアムステルダムとロッテルダムで行われたものだそうですが、同国では最近、公共サービスの職員が暴力を受けるという問題が起きているそうです。そこで「事件現場に駆けつけた救急隊員が暴力を受ける」というシーンを演技で再現・撮影し、リアルタイ

    「気づかれない問題」を可視化するためのAR
  • ゴミ捨て場に広告を

    今日は12月31日。世間では大掃除などがまっさかりだと思いますが(もう終わってるって?)、そうなると当然出てくるのがゴミ。年末年始は回収もお休みなので、ゴミ捨て場にはゴミがいっぱい……そんなゴミ捨て場を宣伝の場にしてしまったアイデアがこちら: ■ Mini Amsterdam: Christmas boxes (Ads of the World) Mini がアムステルダムで展開したプロモーションです。よくゴミ捨て場の前を通りかかると、最新型のデジタル機器の梱包箱なんかが捨てられていて、「うわっ!誰かアレ買ったんだ。うらやましー」と感じることがありますが、その感覚を広告にしてしまったというものですね。もちろん Mini が梱包箱に入れられているはずもないのですが、そのサイズと意外性で目を引きます。ご丁寧に包装紙までちゃんと捨てられていていたりして。 こちらは実際の人々の反応を収めた動画。や

    ゴミ捨て場に広告を
  • POLAR BEAR BLOG: 「ユビdeコミミハサンダー」触れてきました。

    セマンティックWebコンファレンス2006、開催中です。例の「ユビdeコミミハサンダー」のデモが行われていたので、実際に触れてきました。 (デモブースの様子、クリックで拡大) 東芝さんご自身の説明によれば、ユビdeコミミハサンダーとは: 携帯電話のカメラで商品のバーコードをスキャンすることで、インターネットから商品のメタデータを取得、関連するブログを収集し、その商品の口コミ情報をリアルタイムでユーザーに提示 するシステムとのこと。単にブログ検索するだけでなく、以下のような機能を備えています; ポジティブ・ネガティブ判定機能:ユーザーの評判情報をまとめる ホットトピック抽出機能:関連他商品で話題の商品を提示 ソート&フィルタリング機能:有用なブログを前に持ってくる このブログ解析の仕組みに、オントロジーが活用されているというわけです。この部分だけでPC用ブログ検索エンジンを作っても、面白いサ

    POLAR BEAR BLOG: 「ユビdeコミミハサンダー」触れてきました。
  • DARPAの「赤い風船探しコンテスト」、開始後わずか9時間弱で優勝者決定

    というわけで、このブログでも以前ご紹介した「風船探しコンテスト」。DARPA(米国防高等研究計画局)が主催したもので、「米国内のどこかにある10個の赤い風船を探し出せ、最初に全て当てた参加者に賞金4万ドル!」という内容でした: ■ たった10個の赤い風船を見つけるだけで、400万円もらえます! (Polar Bear Blog) ■ 「風船10個を見つけて、4万ドルをゲットしよう!」コンテスト、いよいよスタート (シロクマ日報) 広大な米国の中から探し出せというのですから、流石に時間がかかるだろうと思っていたのですが。なんとスタートした当日に優勝者が確定してしまいました。MITの"Red Balloon Challenge Team"だったとのこと: ABC News で記事も出ています: ■ MIT wins social networking balloon contest (ABC

    DARPAの「赤い風船探しコンテスト」、開始後わずか9時間弱で優勝者決定
  • 今年最も話された英単語は「Twitter」なのだそうな。

    タイトルで言い尽くしているのですが、英単語の中で今年最も人々の口にのぼったのは"Twitter"なのだそうです: ■ Twitter Declared Most Popular English Word of 2009 (Mashable) The Global Language Monitor, which tracks language trends, has once again compiled and released its yearly list of the most popular words and phrases within the English language. In 2008, the #1 most popular word was “change” (referring to the mantra of the top name of 2008, Bar

  • Twitter、「おすすめユーザーリスト」を中止へ

    Twitter を始める際、最初に誰もフォローしていないとタイムラインが寂しくなってしまう――という事態を避けるために、有名人のアカウントを紹介し、ワンクリックで簡単にフォローすることを可能にしてくれる「おすすめユーザーリスト(Suggested Users List, SUL)」機能。以前から「リスト機能が正式展開されたら、SUL は廃止する」ということが明言されていたわけですが、いよいよ削除の運びとなるようです: ■ Twitter to get less suggestive (Geeks Are Sexy) もちろんSULは親切心というか、登録したばかりのユーザーでも楽しめるように設置されていた機能ですが、「好みに合わない場合もある」「選ばれたユーザーがフォロワーを大量に増やしてしまい、不公平だ」などといった批判が上がっていました。実際ある調査によれば、SULに掲載されると平均で5

  • あなたが Twitter に書き込んだメッセージを、山の上から叫んでくれるサービスが登場

    いや、タイトルで言い切っているんですが(笑)。南アフリカ在住の作家、Sam Wilson さんという方が、「山の上でツイートを叫ぶ」というサービスを始めたそうです: ■ I'LL SCREAM YOUR TWEETS . COM はい、サイトのタイトルもそのまんまです。叫ぶのはいいとして(叫ぶ詩人の会とかあるし)、何で山の上なんだ?と疑問を感じずにはいられませんが、なんと地元南アフリカの新聞や、カナダの新聞にまで取り上げられたそうですよ。百聞は一見にしかず、ということで、YouTube の動画がこちら(エピソード4です): いやぁ、叫んでます。そんだけなのですが、アイデア&体力の勝負ですね。ちなみに週1回というスケジュールで行っているそうなので、当に体力と体調管理に自信がなければマネできなさそう(さらに追加情報として、彼は現在31歳だそうです)。 叫んで欲しい言葉のある方は、彼のアカウン

  • あなたの体重を Twitter でつぶやいてくれる体重計

    こういう話、Twitter ユーザーならば誰もがネタとして聞いたことがあると思いますが……ついに実現してしまいました。WiFi を内蔵し、測定した体重を Twitter でつぶやいてしまうという体重計です: ■ Twitter-equipped bathroom scale tells the world how much you weigh (Los Angeles Times) Withings 社から発売されている、"WiFi Body Scale"というのがその製品。もともと「WiFi内蔵で計測値をPC/iPhoneに転送できる」というのがウリだったようなのですが、体重/体脂肪率を Twitter にまで自動転送する機能がついちゃいました。なんて余計なことを! 既に Twitter で体重をつけてるよ、という方も多いと思いますが、この体重計さえあれば記録するのが大分楽になりますね。

    あなたの体重を Twitter でつぶやいてくれる体重計