前回、MOTによるプロダクト・イノベーションへの手がかりを整理してみた。それは、私が、これまで何回か主張してきた、技術立国日本がやるべき「理論」「システム」「ソフトウェア」が三位一体となったソフトウェア技術の確立のための方法論を整理するためだった。 今回は、プロダクト・イノベーションの鍵となる「開発」から「事業化」の間の「キャズム」を如何に越えるかを、ジェフリー・ムーアの著書「キャズム」の紹介を兼ねて、そこで必要な実践的な戦術や事業構想の鍵を整理してみる。 私はソフトウェア技術者ではないけれども、現在、日本のSIer業界がゼネコン化、下請けのSEはIT土方化している現状を承知しており、現実には日本の既存ソフトウェア業界が変わるとは内心期待していない。 にも関わらず、なぜ、敢えて「ソフトウェア立国論」的な逆説的な提言をしたいのか? 日本は、ビジョンも戦略も欧米諸国にお膳立てされていてキャッチ