働くとは何か? その答えを探し求めて、南アジアのれんが工場や造船所などで肉体を駆使して働く人々にレンズを向けてきた。2013年から2015年にかけては、バングラデシュの皮革工場地帯ハザリバーグの製革所で皮をなめす労働者たちを撮影。その作品を私家版写真集『Tannery』にまとめ、本誌2016年7月号の「写真は語る」にも掲載した。 1980年宮崎県生まれ。大学卒業後、日本語教師としてタイの大学に1年間勤務したほか、帰国後には小学校教員として6年間教壇に立った経験もある。 2010年、教員を辞めて写真家になろうと決意してまもなく、自転車でのインド旅行に挑んだ。購入したマウンテンバイクとデジタル一眼レフカメラを携えて、首都デリーに降り立ったのは同年8月。2500キロ離れたムンバイを目指して走っていた途中、通りがかった小さな町で染織工芸品の「更紗(さらさ)」を生産する工場を見つけた。そこで働く職人