地球温暖化の影響で絶滅が懸念されているホッキョクグマ=カナダ北東部で2008年11月、写真家の丹葉暁弥さん撮影 ホッキョクグマの祖先が約15万年前に存在していたことを、米ペンシルベニア州立大など欧米の研究チームが突き止めた。その後の暖かい時期である「間氷期」と極地の平均気温が10度近く下がった「氷期」をそれぞれ生き抜いたことになる。ホッキョクグマは地球温暖化の影響で絶滅が懸念されているが、環境変化に高い適応力を持つことを示している。米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。 04年、アイスランドの地質学者が、ノルウェー・スバールバル諸島の地層からホッキョクグマのあご骨と犬歯を発見。研究チームは化石に残された遺伝子と、米アラスカ州に生息するホッキョクグマ2頭とヒグマ4頭の遺伝子を比較解析した。その結果、氷期だった約15万2000年前にヒグマとホッキョクグマの共通の祖先から枝分かれし、最後の間