日本脳炎の予防接種による乳幼児の死亡事例が7、10月、報告された。日本脳炎ワクチンは平成17〜21年度、積極的勧奨を控えていただけに、「やっぱり危ないのでは」と思った人もいるかもしれない。北海道や東北など10年以上も発症者がいない地域では「受ける必要がないのでは」とも。対象年齢の子供の保護者にとって悩ましい問題となっている。(平沢裕子) ◆感染ブタ多数 日本脳炎は、ウイルスに感染したブタの血液を吸った蚊を介して感染する。感染しても多くの人は症状が出ないが、感染者の100〜1千人に1人の割合で、高熱や頭痛、嘔吐(おうと)などの症状が出て、意識障害やけいれんなど脳の障害も生じる。発症した場合、20〜40%が死亡し、助かっても重い障害が残る可能性が高い。日本脳炎ワクチンが定期接種となっているのは、治療法がないこと、死亡や後遺症がでるリスクが高いためだ。 ただ、都市での生活者が増えた今、ウイ