GNU General Public License(GPL)の次期バージョンの完成に向けたFree Software Foundation(FSF)による作業が進む中、現行バージョンのGPLを企業側に遵守させるべく、フリーソフトウェア開発者達の奮闘が続けられている。 フリーソフトウェアのライセンスに対する違反行為と、プロプライエタリ系ソフトウェアのライセンス違反の場合とでは、異なる扱い方を受けるのが普通だ。この場合の開発者達が求めているのは、金銭的な見返りや競合他社の処罰ではなく、単に互恵主義を謳ったライセンスを遵守してもらうことだからである。こうした違反行為が大々的に報道されるケースは稀だが、その陰では多数の違反行為に対する地道な調停活動が行われている。 Software Freedom Law Center(SFLC)のリーガルディレクタを務めるDan Ravicher氏によると、G
GNU General Public License(GPL)を無視した企業にはどのような罰が待っているか、ご存じだろうか。これまでは、Free Software Foundation(FSF)とオープンソース・コミュニティから糾弾されるだけ。せいぜいコードの開示あるいは書き直しを迫られる程度だった。しかし、そのような不埒な企業にとって、Sarbanes-Oxley Act of 2002の知的財産開示規定は新たな脅威となるかもしれない。 「ソフトウェアのライセンスを遵守しなければ、使用する権利などありません。権利があると株主に述べたとすれば、それは虚偽説明になります」と、組み込みシステムを販売するWasabi Systemsで法務を担当するJay Michaelsonは言う。Wasabi自体、GPL下のコードを利用しており、同社の収入のおよそ半分は組み込み型BSD製品によるものだという。
昨今注目を集めているクリエイティヴ・コモンズは、果してこれ以上に普及するのだろうか。ソフトウェアにおけるオープンソースとの比較から、問題点を洗い出してみたい。 はじめに クリエイティヴ・コモンズ (Creative Commons, CC)は 2001年、スタンフォード・ロースクールのローレンス・レッシグ (Lawrence Lessig)教授を中心とした様々な分野の専門家たちによって立ち上げられたプ ロジェクトだ。ソフトウェアの世界におけるオープンソース/フリーソフトウェ アの成功に刺激され、ソフトウェア(プログラム)以外の著作物全般にもオープ ンソースと同様の「自由」を取り戻そうという試みと位置づけられる。日本で もクリエイティヴ・コモンズ・ ジャパンが設立され、現在は主に日本法との平仄という見地からクリエイ ティヴ・コモンズのライセンス的な吟味が続けられているようだ。なお、クリエイテ
Persistence of Vision Raytracer(POV-Ray)は15年の歴史を持つグラフィックス・ソフトウェアであり、このソフトウェアがいつまでもフリーかつオープンであり続けるようにと願って作られたライセンスの下で提供されてきた。しかし、そのライセンスが許容する範囲は未だに定まらず、思いあぐねたPOV-Rayの開発者たちは現在新たなライセンスを模索している。 POV-Rayのライセンスは、POV-Rayが誕生して以来実質的に変わっていない。しかし、新たなライセンスが必要だという点で主な開発者たちの考えは一致しているとPOV-Rayプロジェクトのチーム・リーダーChris Casonは言う。さらに、オープンソース・ライセンスとして認知されているライセンス――たとえばGNU General Public License(GPL)――が理想的だという点でも異論はないが、それは必
2006年1月17日にアメリカ・ボストンで開催された、GPLv3 Conference二日目の模様をリポートする。 初日に引き続き、二日目の様子をご報告したい。 はじめに 二日目も同じ場所で、同じ時間に開始された。この日は講演を聞くというよりも、基本的にGPLv3ドラフトのいくつかのトピックについて会場からコメントを募り、それにステージ上のパネリストが答えるというような形式の質疑応答セッションが多かったが、ほぼ満員だった昨日に比べるとやや参加者が減った印象がある。正直なところ、重要な論点についてはすでに昨日出尽くしたという感もあり、ややだれているという感は否めなかった。見た目上参加者が減ったのにはもうひとつ理由があるのだが、それについてはまた後でお話ししよう。 そういえば、この両日の参加者プロフィールについて書いていなかった。思ったより年齢層はばらけていて、下は大学の学部生レベル(筆者が会
デスクトップ・オペレーティング・システムにはWindowsが最も好ましい。私は密かにそう思っている。フリーソフトウェアの熱狂的なファンやMacに耽溺する者ならいざ知らず、普通のコンピュータ・ユーザーは誰しもそう思っているだろう。 私がLinuxを使っているのは、それが安いからであり、反骨精神の燃えかすとして「権力者に蟷螂(とうろう)の斧を振り下ろさんがため」なのだ。しかし、そのMicrosoftが、最近オープンソースを受け入れ始めた。それもなかなかの献身振り。まるでオープンマインドに目覚めたかのようなその姿に、常用している2台のコンピュータのLinuxをお払い箱にしてWindowsに乗り換えようと思ったほどだ。ところが、またもWindowsのセキュリティホールが明らかにされた。いやはや。まだしばらくは、無償で信頼性が高く安全なLinuxに頼らざるを得ないようだ。少なくとも、あと1〜2年の間
Googleのサーチエンジンや電子メール・サービスには、それこそ毎週のように新機能が追加されている。Googleの「ハッキング」も広く行われている。 例えば、gmailfsは、Gmailアカウントをストレージとして利用するマウント可能なLinuxファイル・システムだ。Google cookingのようなもっと単純な仕掛けもある。これは素材を"Google"してサーチエンジンからレシピを受け取るツールである。最新のハッキング・ツールの1つにG2G Shareがある。これは伝統的なピアツーピア・ネットワークの上に作られた仕掛けである。この若き作者によれば、Googleがその活動をいつまで認めてくれるかわからないという。 G2G Shareは11月に登場したばかりなのに、ユーザー数は7,000、データサイズは127GBを既に超えている。あるPHPスクリプトが加入者のGmailアカウントにログイ
最近、Slashdotに「A Look At Windows Server Outselling Linux」という記事が掲載された。その中で、CoolTechZoneの「Linux is Doomed, Thanks to Microsoft(Linuxに終焉、Microsoftのおかげ)」なる噴飯もののタイトルのニュースが参照されている。このニュースは、タイトルも内容も、今世紀最悪のウソ八百である。その理由を述べよう。 全世界における第3四半期のサーバ販売に関するIDCの最新レポートによると、初めてWindowsの市場シェアがUnixのシェアを上回った。これは特に驚くようなことではなく、Windowsの市場における地位は過去10年間上昇していたのであり、一方Unixの収益は伸び悩んでいたのだ。覚えているだろうか、90年代初期にMicrosoftがWindows NTはUnixキラ
ブログからブログへ……同僚のブログ、得意先のブログ、競争相手のブログ……いったん読みはじめるといつまでもやめられない。あの人の考えもこの人の考えも、ほんの数クリック先にある。同僚に、競争相手に、得意先まで? まあ、いいだろう。だが、企業ブログを時代の趨勢と見、いずれ企業の常識になると見る向きがある一方で、アナリストの見方は違う。ブログが生産性の向上に結びつくまでには、まだ乗り越えるべき障害が多い、と言う。 「数年前にブログが流行りはじめてから、一部企業の間でこれをずいぶん取り入れる動きが出てきました。その目指す方向は実にさまざまです」と、Interarbor Solutions社の主任アナリスト、Dana Gardnerは言う。企業ブログには、社内向けブログと社外向けブログがある、と指摘する。前者は主として社員間のコミュニケーションとコラボレーションを目的とし、後者は企業間における「コミュ
ぴんと張られた太鼓の皮へ奏者の全身から繰り出されるバチの動きは、鍵盤を叩く指の動きとは比べ物にならないほど優美で力強い。だが、北米の太鼓奏者とオープンソースソフトウェア開発者は、実は共通の問題に直面し、それに頭を悩ませている同志でもある。両者に共通する問題とは、特許であり、改良点の共有である。 現に、太鼓奏者とその指導者の間には、太鼓のオープンソース化を推進しようとする動きがあり、すでに独自の運動歌まで作られている。『おみやげ』もそうした曲の1つで、芸術としての太鼓演奏が日本の歌舞伎や祭り太鼓から生まれたことにちなみ、日本語の曲名をつけている。 「まったく新しい運動というわけでもありません」と、『おみやげ』の作曲者であり、ロサンゼルスのOn EnsembleとTaiko Projectで太鼓奏者を努めているShoji Kamedaは言う。「要するに、オープン性とコミュニティ意識の継続です
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く