2025年大阪・関西万博の開幕まで1年を切った。国内では20年ぶりの大規模国際博覧会なのに、開催ムードは一向に盛り上がらない。 いまなぜ万博なのか、という根本的な疑問を多くの国民が持っているからだろう。元日に能登半島地震が発生し、被災地の復旧復興を優先すべきだとの声も上がる。 多額の税金を費やす以上、政府や大阪府・市は開催意義の説明を尽くすべきだ。 万博は大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)で、来年4月13日から10月13日まで開かれる。会場ではシンボルの巨大木造屋根「リング」の建設が進む。 政府や主催の日本国際博覧会協会(万博協会)は、会場を「未来社会の実験場」と位置付ける。来場者が新技術を体感する場になるはずだが、目玉の「空飛ぶクルマ」は商用運航の見通しが立たない。 万博の華である海外パビリオンは各国が自前で建てる施設で遅れが目立つ。建設費の高騰や労働者不足の影響で、開幕に間に合わない施設