島根県の丸山達也知事が10日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行し、日々の感染者数や死者数など詳細な感染状況が把握できなくなったことについて「天気予報のない中で、農作業をするようなものだ」と述べ、流行の兆候を見つけにくい現状に懸念を示した。 丸山知事は定例記者会見で「5類引き下げ自体に感染を抑制する効果はなく、流行の第9波が起きないと考える方がおかしい」と、今後の感染拡大を懸念した。 感染状況が見通せないとして「これまでと同じではないが『雷がきそう』『大雨が降りそう』という情報を網羅的に提供しないといけない」と指摘。県は重症化リスクの高い高齢者施設のクラスターや医療機関の入院制限の状況などをホームページで公表する考えで「直接的な医療の逼迫(ひっぱく)状況を知らせていくことが大事になる」と述べた。 (中島諒)