davitrice.hatenadiary.jp ↑ ひと月ほど前にこのブログに掲載した記事でも間接的に取り上げた、マーサ・ヌスバウムによる「性的モノ化」論文について、以下の書籍に収録されているバージョンを読んでみたので、感想や考えたことを書いておこう。 Sex and Social Justice 作者:Nussbaum, Martha C. 発売日: 2000/08/24 メディア: ペーパーバック この論文のポイントは、ポルノグラフィティやセックスにおける性的モノ化を一概に「悪い」とみなすキャサリン・マッキノンやアンドレア・ドウォーキンの主張、その背景にあるイマニュエル・カントの議論を取り上げながら、性的モノ化が悪いかどうかは文脈により、ときによっては『チャタレイ夫人の恋人』で描かれるような「ワンダフルな」性的モノ化が成立する場合もあり得る、と主張されているところにあるだろう*1。