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ブックマーク / healthpolicyhealthecon.com (5)

  • 外科医が誕生日に行った手術の死亡率は、他の日に行った手術よりも高いのか?

    私達の研究グループは、アメリカの65歳以上の高齢者で17の外科手術のいずれかを受けた約98万人を対象とした大規模な医療データを用いて、外科医の誕生日に手術を受けた患者の死亡率が、誕生日以外の日に手術を受けた患者の死亡率よりも高いことを明らかにしました。同じ外科医に治療された患者を比較しても同様の結果で、誕生日に手術を受けた患者の死亡率は、誕生日以外の日に手術を受けた患者の死亡率よりも1.3%(リスク差)増加していました(リスク比で+23%の増加率)。これは臨床的にも無視できない意味のある差だと考えられます。 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科の加藤弘陸特任助教(研究実施時はカリフォルニア大学ロサンゼルス校[UCLA]訪問研究員)との共同研究です。 着信音や医療機器のトラブル、手術内容とは必ずしも関係ない会話など、手術中の外科医の注意をそらすような物事は多く存在しているといわれています

    外科医が誕生日に行った手術の死亡率は、他の日に行った手術よりも高いのか?
  • 社会の格差は、住民の健康に悪影響を与える

    世界には社会的格差の大きい国もあれば小さい国もあります。2014年には世界のトップ1%の超富裕層が富の48%を、残りの99%が52%を所有していたと言われています(Oxfam, 2015)。このような大きすぎる格差が、2011年から数年間にわたって発生した「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」運動にもつながっていると考えられますし、2013年に出版されたトマ・ピケティの「21世紀の資」のベストセラーにも影響を与えていると思います。最近のアメリカ大統領選でもヒラリー・クリントン候補はしきりにトップ1%が過剰な富を独占しているのは不公平であると主張しています。どれくらいの格差なら許容されて、どれくらいなら問題なのかというのは最終的には価値観の問題であり、正解はありません。しかし、格差がどれくらい健康に悪影響を与えるかという点に関しては数多くの研究が行われています。ち

    社会の格差は、住民の健康に悪影響を与える
    Nihonjin
    Nihonjin 2017/01/10
    「格差の大きな地域において、富裕層は子供たちを私立の学校に行かせるとします。そうすると彼らにとって公立の学校に投資するインセンティブがなくなって」「税金がきちんとした社会のインフラに使われなく」
  • 白米は健康に悪いって本当ですか?

    (写真:無料写真素材「花ざかりの森」) 「科学的根拠に基づく(当に体に良い)事」に関して多くの反響がありました。その中で一番多かったご質問が今回のブログのテーマである「白米は体に悪いって当ですか?」というものでした。今回はそれに関してご説明いたしますが、その前に3つほどこれらの記事を読むにあたって理解しておいて頂きたい注意点を述べさせて頂きます。 1.「科学的根拠に基づく事」に関する注意点 (1)私の書いている「科学的根拠に基づく事」は健康な成人を想定しています。そのため、高血圧や糖尿病などのいわゆる一般的な生活習慣病を持っている人たちの多くには当てはまるものの、小児、欲の落ちている虚弱体質の高齢者、妊婦、透析患者さん(もしくは透析手前の慢性腎臓病患者さん)など「特別な事」が必要とされる人たちには当てはまりません。よってメタボなどの軽い生活習慣病を持っている人たちは自分に当て

    白米は健康に悪いって本当ですか?
    Nihonjin
    Nihonjin 2017/01/10
    「もう一つの方法は、白米が「主食」であるというマインドセットを変えるという方法です。お米は主食だと思うからどうしても量を食べてしまいますが、必ずしもお米が主食でなければいけないというルールはありませ」
  • 予防医療のうち医療費抑制に有効なのは約2割 – 医療政策学×医療経済学

    ちまたでは健診の効果や、予防医療が医療費抑制効果に有効なのではないかと言う議論が行われているようですので、このブログでは科学的根拠(エビデンス)でどこまで分かっているかご説明したいと思います。アメリカの医療政策学・医療経済学の世界では、予防医療が必ずしも医療費抑制に効果的であるわけではないと理解されています。これは「全ての予防医療サービスに医療費抑制効果がない」と言っているのではなく、「予防医療サービスの中には医療費抑制効果があるものもあるが、多くの予防医療サービスは実際には医療費を抑制しない」ということです。これは2つの研究をエビデンスとしています。一つ目はジョシュア・コーエン、ピーター・ニューマン、ミルトン・ワインシュタインの3名の費用効果分析の学者たちが2008年にNew England Journal (NEJM) 誌(臨床医学のトップジャーナル)に発表した総説(Perspecti

    予防医療のうち医療費抑制に有効なのは約2割 – 医療政策学×医療経済学
    Nihonjin
    Nihonjin 2017/01/10
    「予防医療 vs. 治療的サービスという対立軸で考えるのではなく、予防医療であれ治療的サービスであれ20%弱のcost-saving(健康改善効果+医療費抑制効果のある)であるサービスをまずは広くカバーして提供する」
  • 女性医師の方が、男性医師よりも患者の死亡率・再入院率が低い

    (写真:Day Donaldson/クリエイティブ・コモンズ表示 2.0 一般) 私たちが行った最新の研究によると、女性医師の方が男性医師よりも患者の死亡率や再入院率が低いことが明らかになりました。この研究は2016年12月19日のJAMA Internal Medicine誌(オンライン版)に掲載されました。この研究はワシントンポスト紙、ウォールストリートジャーナル、CNN、Fox News、ハーバードビジネスレビューにも取り上げられました。 今回は私の研究を紹介させて頂きます。私たちのチームは、2011~2014年にアメリカの急性期病院に入院した65歳以上の高齢者、およそ130万入院分のデータを解析しました。患者のデータはメディケア(高齢者向けの公的保険)のレセプトデータを、医師の情報に関してはDoximityと呼ばれる医師向けのソーシャルネットワーキングサービスを提供している会社が複

    女性医師の方が、男性医師よりも患者の死亡率・再入院率が低い
    Nihonjin
    Nihonjin 2017/01/10
    「死亡率の0.4%の違い(一見すると小さく見えるので)が意味があるものなのかという質問をたくさん受けているのですが、死亡率0.4%とは過去10年間の死亡率の改善とほぼ同じレベルです」
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