イチゴ生産量日本一を誇る栃木県にある宇都宮大学で、収穫から店頭に並ぶまで果肉に一切触れずに出荷できるロボットの開発が進められている。人工知能で制御されたロボットがイチゴの完熟度合いを見極め、イチゴの実がついたつる枝をつまんで収穫。果肉が接触しないよう工夫された容器に一つずつ収納する。完熟状態で出荷しても10日以上傷むことがないという。栃木県はイチゴの高級品種「スカイベリー」の売り込みに力を入れているが、この方法で出荷できれば、海外の富裕層向けの市場が広がることが期待される。 「いちご王国」を悩ます輸出の壁 栃木県は1968年からイチゴ収穫量日本一を維持し続けている。年間の収穫量はおよそ2万5000トンで、全国の約15%を占めている。「東京をはじめとする大消費地に近いという地理的なメリットに加え、「冬の日照量が長く、昼夜の寒暖差が大きいなどの気候条件が、おいしいイチゴを育てている」と、栃木県