衣からのぞく胸に、加工した水晶をすっぽりとはめ込んだ釈迦涅槃(ねはん)像(木造、長さ12・8センチ)が、大津市伊香立下在地(いかだちしもざいじ)町の浄土宗寺院・新知恩院(しんちおんいん)で見つかり、市歴史博物館が1日発表した。胸に水晶を使った像は類例がなく、体から発する光を表現したらしい。 鎌倉時代初期の作とみられ、作風から鎌倉を代表する仏師・快慶(かいけい)の工房で作られた可能性があるという。入っていた桐(きり)箱に開山以来の宝で門外不出と記した裏書きがあり、浄土宗開祖・法然(ほうねん)が身近に置いて祈った「念持仏(ねんじぶつ)」ではとの見方も出ている。 8日~3月16日、博物館(077・521・2100)で公開される。月曜休館。(佐藤常敬)