エコノミストの領域ではないが、研究者のひとりとして看過できない問題だ。STAP細胞の研究論文に関して、理化学研究所の調査委員会が「捏造(ねつぞう)」と「改竄(かいざん)」を認定した。 はたして、この調査結果は正しいのか。研究をリードした小保方晴子さんが未熟だったのは間違いないだろう。まだ30歳の駆け出しだ。かばうつもりはないが、ミスをすることだってある。 特に彼女の場合は、論文の書き方を知らなかったことにありそうだ。基本やイロハを知っていれば、非難されることではなかっただろう。実際、調査委員会はSTAP細胞の存在を否定していない。そこも無責任な話だが、画期的な結果をもたらした研究内容についての判断は留保した。これから1年かけて検証するそうだ。それなのに「捏造」だ「改竄」だと一刀両断するやり方は異常だ。小保方さんが「承服できない」と不服申し立てをする構えなのも当然だろう。