位置情報や趣味嗜好(しこう)など個人に関わる情報をビッグデータとして活用する動きが進む一方で、プライバシー上の不安を訴える声が高まっている。 だが、現行の個人情報保護法では、プライバシーは規制の対象外で、個人を特定できない情報は、本人の同意なく第三者に販売しても違法にはならない。守られるべき「個人の情報」とは何か――。政府は内閣官房に検討会を設け、法改正に向け検討を始めた。 今年夏、「枕元に置くだけで睡眠状況を測定できる」とうたったオムロンヘルスケア(京都府)の商品を買った東京都内の男性(46)は、届いた商品の利用規約を読んで驚いた。「睡眠時間などのデータを預かる」と書いてあり、第三者にも提供するとしてある。 通信販売の宣伝文には「測定したデータをスマートフォンのアプリで管理できる」としか書いておらず、男性は気軽な気持ちで購入したという。しかし、アプリを利用するためには会員登録し、オムロン