先日,某社に取材で赴いた際,こんな会話をエレベーターの中で耳にしました。 A:「××さん,今度中国に異動になったそうだよ」 B:「マジですか。赴任地が上海じゃなかったら,地獄でしょうね」 A:「もし君がそんな辞令を受けたらどうする?」 B:「会社を辞めますよ,もちろん」 今,日本企業の現場では,このような会話があちらこちらでやり取りされていると思われます。エレクトロニクス・メーカーを含む多くの企業が,新興国市場の開拓に本腰を入れ始めているからです。例えば,東芝は2010年7月28日に開催したテレビの新製品発表会で,液晶テレビの世界市場において「2009年〜2012年のCAGR(年平均成長率)は先進国の2%に対し,新興国は26%。我が社も新興国で量と収益を稼いでいく。この戦略に伴い,リソースも先進国から新興国へシフトさせる」(執行役上席常務 ビジュアルプロダクツ社 社長の大角 正明氏