弟の命日は1月1日だ。 ただ、本当にその日に旅立ったのかはわからない。 自宅の敷地内に倒れているのを隣家の人が発見してくれたときには、既に息がなかったそうだ。 それが1月3日。検死や諸々の状況から、亡くなったのはおそらく1月1日の未明だろうということになったのだ。 死因もわからない。わかっているのは、外出するつもりだったのが門扉の辺りで倒れ、そのまま凍死したらしいということだけだ。 アルコールと睡眠導入剤を同時摂取するのが常習になっており、倒れたのはそのせいである可能性も高かった。 逆縁というのは気持ちのもっていき場がないものだ。弟とは仲がよかっただけに、形容し難い悲しみに襲われた。 だが、一方でほっとしてもいた。 「行き倒れでも交通事故でも自殺でも入院中でもなく、自宅でひっそり旅立ったのは、シンにしては天晴れだ」 弟の親友、サトルさんがそんなふうに言ってくれた。 もちろん、どんな死に方が