鳩山総理が辞任した。 私見だが、彼はこの10年ほどでもっとも人の良い首相だった気がする。 スタンフォードの博士なのだから馬鹿とも思えない。 にもかかわらず、鳩山政権がここまで迷走する理由がずっと謎だった。 ただ、昨日の辞任演説を聞いていて、なんとなく理由がわかったような気がした。 一言でいうと“ズレ”だ。 安倍政権以降の混乱を、一部のメディアは 「小泉改革によってもたらされた格差・競争社会への反動だ」という風に煽りたてた。 当の民主党自身、そういうロジックで盛んに政権攻撃を続け、とうとう政権奪取してしまった。 だがこれはおかしい。 日本の格差なんてたかがしれているし、相対的貧困率なんてインチキ数値で、絶対的貧困率 では日本は世界一豊かな国である。 要するに日本は競争社会なんてものではなく、競争が無いから 停滞しているにすぎない。 派遣再規制したってもう以前の1億総中流に戻れるわけではないし
2010年06月03日17:09 カテゴリ法/政治 前例主義と未来志向 今週のニューズウィークに書いたように、鳩山政権の破綻は、首相の優柔不断な性格もさることながら、内閣制度の欠陥によるところも大きい。しかし首相官邸の機能を強化しても、前例を極端に重視する霞ヶ関の風習が直らないと、このような悲劇が繰り返されるだろう。 経済学では前例(sunk cost)は無視して未来志向コスト(forward-looking cost)だけを考えろと教えるが、法学では逆に前例を守るべきだと教える。特に最高裁の判例には法律と同じぐらいの重みがあり、たとえば解雇についての最高裁判決は下級審の基準となる。解雇の違法性についての解釈が裁判所によってまちまちだと、訴訟が頻発してビジネスに支障をきたすので、判例は法的な予測可能性を高めて不確実性を削減するのである。 官僚の行動様式も同じで、各省折衝で法律が経済的に正し
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