衆院本会議場を出る自民党の高鳥修一氏(中央奥)=国会内で2023年6月13日午後1時34分、竹内幹撮影 LGBTQなど性的少数者への理解増進を目的とする議員立法「LGBT理解増進法案」を巡り、13日の衆院本会議で、自民党の高鳥修一衆院議員は採決を前に退席した。 高鳥氏は同党保守派の一人で、党内議論で法案に反対していた。高鳥氏は退席理由について記者団に「おなかが痛いということだ」と述べた。採決との関係…
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国際社会の非難を無視してウクライナに侵攻するプーチン露大統領の暴挙は、正気の沙汰とは思えない。釈然としない思いを政治学者で高千穂大教授の五野井郁夫さん(43)にぶつけると、まず冷静にプーチン氏の行動原理を見定めるよう諭された。「暴挙に見えても、彼なりの合理性で動いている」。その合理性とは何なのか。 プーチン氏を武力行使に駆り立てる思想を解き明かしたい。大学の研究室で五野井さんにそう伝えると、刺激的な言葉が返ってきた。「プーチン氏は正気を失っているとは思いません。ただ、現在は自由民主主義の価値観を共有していないことはたしかです。プーチン氏は自らがロシアの支配圏と考える国を取り戻そうとしています。その際、国際規範を理解しつつも重視していないと言えます」 初めに、近年のプーチン氏が自己正当化に利用する思想について解説してくれた。特にプーチン氏が愛読するのは、宗教哲学者のイワン・イリイン(1883
弱者の武器であったキャンセルカルチャーが、リベラルな価値の攻撃に使われています。 困難を抱える若い女性を支援する一般社団法人「Colabo(コラボ)」への攻撃など、女性への個人攻撃も起きています。 本来の意味を取り戻すにはどうすればいいか。高千穂大学教授の五野井郁夫さんに聞きました。【聞き手・須藤孝】 ◇ ◇ ◇ ――もともとの意味はなんでしょうか。 五野井氏 力なき人々にとっての最後の手段としてボイコット運動があります。インド独立運動の英国商品不買や、米国公民権運動ではローザ・パークスの「バス・ボイコット」(※)がありました。 情報発信の主体がユーチューバーのようなインターネット上のサービスに移るなかで、抗議の対象も国家や企業だけではなく、情報を発信する個人や現象、価値観へと変化しつつあります。 キャンセルカルチャーそれ自体は伝統的なボイコット運動の延長線上にあります。 ――ネットの発達
自民党の杉田水脈衆院議員が科研費助成を受けたフェミニズム研究について言及したツイッターの投稿=2023年6月2日、野口由紀撮影 フェミニズム研究に携わる大学教授らが自民党の杉田水脈(みお)衆院議員にインターネット上で中傷されたとして損害賠償を求めた訴訟は5月30日、大阪高裁で判決があり、原告側が一部勝訴した。長年ネット文化を分析する批評家の藤田直哉さん(40)は、そもそもフェミニズムがネットで攻撃の対象になりやすい理由を「アンダーグラウンドの男性文化だったネットの世界にまじめで水を差すフェミニストが侵略してきた、と反発する心理がある」と分析する。一体どういう意味なのか。【聞き手・野口由紀】 批評家・藤田直哉さん ――原告側が一部勝訴した一方で、ほとんどの部分で名誉毀損(きそん)が認められませんでした。 ◆判決では(科学研究費=科研費=助成対象の)「期間外に研究費を使った」と杉田議員が主張し
一般社団法人「Colabo(コラボ)」は1日、虐待や性暴力を受けて家に居場所がない少女らを支援する活動について、寄付金で継続すると発表した。これまで、公的な事業として展開していたが、東京都による新事業の枠組みでは、「安心した支援につながらない」として、補助金の申請を断念したという。 公的機関につながりにくいとされる少女らの支援は行政と民間団体が協力して取り組む。コラボの活動は2018~22年度、都の委託事業となっており、各年度約1000万~4600万円が計上されていた。 都は「多くの団体による得意分野を生かした支援を目指す」とし、23年度から支援団体を公募し、補助金を支出する仕組みに移行した。支援団体には新たに、▽活動日報や個人別支援記録の作成▽都の要請に応じた支援記録の開示――などを求めた。
「多くのファンは『性暴力は許せないけど、タレントは応援したい』という気持ちで板挟みになっている」 ジャニーズ事務所の元所属タレントがジャニー喜多川前社長から性被害を受けていたと訴えた問題を巡り、「PENLIGHT(ペンライト) ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会」が11日に東京都内で開いた記者会見。会設立メンバーの一人である女性は揺れる胸の内を明かした。 熱烈なジャニーズファンを指す「ジャニオタ」を自任する女性だが、「これまで喜多川氏による性加害については深く考えてこなかった」と言う。10年来のファン活動に転機が訪れたのは、3月以降、英BBC放送や週刊文春が相次いで被害の訴えを報じてからだ。
「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」で解決を訴える横田早紀江さん(前列左)とそれを見つめる岸田文雄首相(同右)=東京都千代田区で2023年5月27日午後2時13分、猪飼健史撮影 岸田文雄首相は27日、東京都内で、北朝鮮による拉致問題の「国民大集会」に出席し、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記との首脳会談実現に意欲を示した。「首脳会談を早期に実現するため、私(首相)直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」と表明した。 首相はこれまで「私自身、条件を付けずに金正恩氏と直接向き合う決意だ」と述べていた。この日の会合では「現在の状況が長引けば長引くほど新しい関係を築こうとしても実現は困難だ」と強調。「私は大局観に基づき、地域や国際社会の平和と安定、日朝双方のため自ら決断する」と、より踏み込んだ。 拉致問題を巡って両国は2014年、北朝鮮による拉致被害者らの再調査開始などを盛り込ん
参院本会議に臨む日本維新の会の梅村みずほ氏。奥は音喜多駿政調会長=国会内で2023年5月24日午前10時、竹内幹撮影 日本維新の会は26日、2021年に名古屋出入国在留管理局で病死したスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)に関し不適切な発言をした梅村みずほ参院議員を党員資格停止6カ月の処分にしたと発表した。藤田文武幹事長は記者会見で梅村氏の発言について「(党の)ガバナンスから逸脱する行為だ」と述べた。 梅村氏は12日の参院本会議で「支援者の一言がウィシュマさんに『病気になれば仮釈放してもらえる』という淡い期待を抱かせ、医師から詐病の可能性を指摘される状況につながった恐れも否定できない」と発言。16日の参院法務委員会では「ハンガーストライキによる体調不良で亡くなったかもしれない」と述べた。
内閣府から開示された「故安倍晋三国葬儀参列者名簿」のうち、黒塗りの元国会議員と各界代表部分=東京都内で2023年5月12日、吉永磨美撮影 昨年9月27日に実施された安倍晋三元首相の国葬を巡り、毎日新聞記者が内閣府に「参列者や招待者の名簿、招待者の選出に関わる文書」を情報公開請求した。期限の延長を幾度かはさみ、請求から半年近く経過した3月、氏名などが黒塗りされた資料が大量に開示された。実施を巡って国論を二分した国葬の実態はいまだ解明されていない点が多いが、開示資料から見えてきた部分もある。 開示されたのは、「故安倍晋三国葬儀参列者名簿」や「参列者推薦基準」などの文書。参列者名簿はA4判用紙で104枚に上り、参列者の所属ごとに区分され、それぞれの出欠の有無が記されていた。 政府の過去の発表によると、国葬には4183人が参列した。開示資料では、出席者の8割近くの氏名が黒塗りで、出席者として確認で
旧ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川前社長による少年への性加害問題。長年放置された被害と、マスコミや企業の姿勢が問われています。
もしも先生が“夜のアルバイト”をしていたら……。名古屋の繁華街で客引きをしたとして中学校教員が逮捕された。非常勤講師として教壇に立つ一方、ホストクラブでも働いていた。市の正規職員ではないため勤務時間外の副業を認められていたが、市教育委員会は「ホストは想定外だった」と困惑している。 愛知県警によると、20代の男性教員は2月11日夜、名古屋市中区栄4の路上で、私服の女性警察官に「ホストどうですか」などと声をかけたとされる。不当な客引きを禁じる県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕され、風営法違反容疑で送検された。 2022年8月ごろから週2、3回、現場近くのホストクラブで働いていたという。「日中は先生、夜はホストや客引きをしていた。ホストに憧れがあったようだ」(捜査関係者)
家庭などに居場所がなく困難を抱える若い女性を支援する一般社団法人「Colabo(コラボ)」は19日夜、相次ぐ妨害行為を受けて休止していた支援活動を約1カ月ぶりに再開した。 月3回程度、停車したバスで10代の女性に生活必需品や食料を提供し、相談にのる「バスカフェ」活動。2022年末から複数の男性による妨害行為が相次ぎ、23年3月8日を最後に休止していた。 活動を委託事業としていた東京都は3月20日、コラボに対して、安全の確保を理由に支援方法や新宿区役所前での実施の変更を要求。コラボは東京地裁がユーチューバーの男性に妨害行為を禁じる仮処分命令を出したことなどから、活動の継続を求めて協議していたが、折り合えなかった。
日本学術会議は18日、東京都内で2日間にわたって開いた総会で、学術会議法改正案の今国会への提出を思いとどまり、開かれた協議の場を設けるよう、政府に勧告した。 学術会議の勧告は13年ぶり。勧告は同法の規定に基づくもので、政府に対する最も強い意思表明となる。法的拘束力はないが、改正案提出を目指す政府に最後のカードを切った格好だ。 梶田隆章会長は「政府は勧告という形で表明する我々の強い思いを真摯(しんし)に受け止めて検討されることを期待している」と述べた。
6日の参院法務委員会の採決で、共同会派を組む立憲民主党と社民党の委員3人が会派の方針に反して政府提出法案に賛成する一幕があった。立憲は同法案の衆院通過時の採決で反対し、7日の参院本会議でも反対に回った。委員会で賛成した牧山弘恵議員は記者団に「反射的に手を挙げてしまった。意図的なものではない」と勘違いを強調。「深くおわびしたい」と述べた。 法案は、判事補ら裁判所職員の定数を減員する裁判所職員定員法改正案。立憲は「現実的な見通しに基づいた削減案でない」などとして同法案に反対してきた。ところが、6日の参院法務委の採決で、野党筆頭理事を務める立憲の牧山氏と石川大我議員、社民の福島瑞穂党首の3人は与党議員らと共に賛成に挙手。法案は「賛成多数」で原案通り委員会可決した。
記者団の取材に応じる立憲民主党の小西洋之氏=参院議員会館で2023年3月30日午後4時44分、竹内幹撮影 立憲民主党の泉健太代表は31日の記者会見で、衆院憲法審査会の毎週開催を「サルのやること」「蛮族の行為」などと発言した小西洋之参院議員について、参院憲法審野党筆頭幹事から更迭すると明らかにした。小西氏の発言については「まかりならんと私も考えている。党としても謝罪を申し上げたい。こういった発言は党の見解とは異なるものだ」と述べた。泉氏は小西氏を注意したことも明らかにした。 小西氏は3月29日の参院憲法審幹事懇談会後、「サルのやること」などの発言をした。その後、この発言を巡るNHKとフジテレビの報道について「(総務省の)元放送政策課課長補佐にけんかを売るとはいい度胸だ」などと自身のツイッターに投稿した。小西氏は元総務官僚で、ツイッターには「放送法に違反し偏向報道を続けるNHKとフジテレビに対
記者団の取材に応じる立憲民主党の小西洋之氏=参院議員会館で2023年3月30日午後4時38分、竹内幹撮影 立憲民主党の小西洋之参院議員は29日、衆院憲法審査会について「毎週開催ってサルのやることだ」と発言した。各党から発言の撤回や謝罪を求める意見が相次ぎ、小西氏は30日、「不快な思いをされた方々にはおわびしたい」と陳謝した。 小西氏は29日、参院憲法審の幹事懇談会後、記者団に「(参院憲法審では)毎週開催はやりたくない。毎週開催ってサルのやることだ。憲法を真面目に議論しようと思ったら毎週開催なんかできない」と述べた。週1回の開催が定着している衆院憲法審について「何も考えていない人たちだ。蛮族の行為だ。衆院なんて誰かが書いている原稿を読んでいるだけだ」とも語った。 発言を巡り、30日の衆院憲法審では、日本維新の会の三木圭恵氏が「私は自分で自分の原稿を書いている。衆院憲法審に対する侮辱ではないか
<右>卒業式に臨んだ際の髪形=保護者提供(※ピアスの穴を開けたのは卒業後)<左>編み込みをほどいた普段の髪形=兵庫県姫路市で2023年3月9日午後0時15分、幸長由子撮影 兵庫県姫路市の県立高校の卒業式で3年の男子生徒(18)=当時=が髪形を理由に他の生徒から隔離された問題で、県教委は28日、神戸市で記者会見を開いた。式典で名前を呼ばれても返事しないよう学校側が求めたことなどを問題視し、「教育的配慮が足りなかった。(生徒との)コミュニケーションが十分ならば、こんなことにならなかった。もっと子どもに寄り添った対応ができたのではないか」と指摘した。 この問題は毎日新聞が28日に報道して明らかになった。生徒は日本人の母親と米国籍で黒人の父親を持ち、巻き毛で横に広がりやすい髪質。頭髪検査で「髪が耳にかからないように」と指導されたため、自らのルーツや髪質を踏まえ、黒人文化では伝統的な髪を編み込む形に
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