「金融」に関する入門的な解説書。 新たな知見を得られるというよりも、既知の知識を体系的に整理し、深めることができた、という点でたいへん有益でした。 [新版]への改版時期がサブプライム問題に端を発する世界的金融危機と重なったこともあり、「金融取引」「銀行システム」「金融政策と中央銀行」といったプリミティブな金融論だけでなく、「資産価格とそのバブル」「金融機能の分解と高度化」「金融規制監督」といった極めて現代的なテーマにも紙幅が割かれています。 「日本の企業統治」という、一見「金融」とは直接関係にないテーマも取り上げられているのが興味深かった。 そこで解説されているのは、市場か規制かという近視眼的な二者択一ではなく、市場的政策により効率を高めつつ、情報の非対称性や外部経済などの市場の失敗に対しては合理的な規制であたるべし、という極めて常識的な議論であります。 制度設計、政策選択にあたっては、そ
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