政府は２７日、福島市内で開かれた「福島復興再生協議会」で、年間被ばく線量が２００ミリシーベルトと推定される地点では、除染しない場合、帰宅可能な水準（年２０ミリシーベルト以下）まで線量が下がるには２０年以上かかる可能性があるとの試算結果を示した。菅直人首相は２７日、福島県庁で佐藤雄平知事と会談し、東京電力福島第１原発周辺の放射線量が高い地域について「長期間にわたって住民の居住が困難な地域が生じる可能性は否定できない」ことを認め、「心からおわび申し上げたい」と陳謝した。 放射性物質が風雨で拡散されることなどにより、被ばく線量は除染なしでも自然に低下していく。試算結果によると、帰宅可能水準まで線量が下がるには、現在の推定線量が１００ミリシーベルトの地点で１０年程度、５０ミリシーベルトの地点で４年程度かかる。 ◇汚染物質保管「福島で」　首相が知事に要請 会談で首相は、除染作業によって新たに汚染土壌

「元気な日本」の大会テーマで夜空を彩る花火＝秋田県大仙市大曲で２０１１年８月２７日午後８時５２分、丸山博撮影 ↑クリック↑すると次の写真に進みます 全国の花火師が技量を競う「第８５回全国花火競技大会（大曲の花火）」が２７日、秋田県大仙市大曲の雄物川河川敷であった。１万７０００発の花火が夜空を彩り、会場と周辺を埋めた約７０万人（主催者発表）から歓声が上がった。 東日本を中心に２７業者が出場。課題花火と創造花火の２分野で、精巧さや表現力を競った。東日本大震災を受け創造花火は被災地への鎮魂や祈り、未来への希望をテーマにした作品が目立った。大会提供花火は「奥州曙光（しょうこう）」と題して約７分間、絶え間なく打ち上げられ、幅約５００メートルにわたって光の幕が広がった。【野原寛史】

再生可能エネルギー固定価格買い取り法案が、２６日の参院本会議で可決、成立する見通しだ。「脱原発」の機運が高まる中、風力発電や生物資源を活用したバイオマス発電などの潜在力が高い道内では、再生可能エネルギーの利用促進が地域振興や新産業の育成につながるとの期待も大きい。一方、肝心の買い取り価格など制度の詳細は決まっておらず、電力会社が買い取りを拒否できる規定もあるため、実効性に疑問の声も出ている。【大場あい、吉井理記、円谷美晶、山田泰雄】 ◇期待と疑問の声 ■やっと第一歩 法案は、電力会社に太陽光や風力、バイオマスなどによる電力の買い取りを義務付け、買い取り価格を電気料金に上乗せする仕組みだ。０１年に市民出資による国内初の風力発電機を稼働させたＮＰＯ法人北海道グリーンファンドの鈴木亨理事長は「欧州などでは、買い取り制度がエンジンになって再生エネを普及させた。日本でも、やっと第一歩を踏み出せる」と

伊賀鉄道伊賀線で、風鈴やすだれで車内を飾る「風鈴列車」が始まった。８月３１日まで、毎日１０往復ほど運行される。 伊賀鉄道友の会が中心となって企画した。風鈴は伊賀焼の窯元が制作した計１８個。短冊には、同市のグループ「絵手紙いろは」の森田満枝代表がベニバナを描き、松尾芭蕉らの句を添えている。つり手付近には同鉄道職員によるアサガオの造花計２２個も。 同鉄道は「今夏は節電で冷房の設定温度を２度上げているが、涼しさを感じてもらえるのでは」と、乗車を呼び掛けている。【伝田賢史】 〔伊賀版〕

“水の都”岐阜県大垣市の夏の名物「水まんじゅう」がおいしい季節になった。和菓子店の店頭は地下水で冷やされた涼感たっぷりの商品を買い求める人が絶えない。 地下水を利用して１１０年ほど前から生産されている。甘さを抑えたあんを葛粉（くずこ）とワラビ粉で作った透明な皮が包み、「プルン」とした食感とさわやかな甘さが暑い夏に似合う。小さな陶器に入れられ、「井戸舟」と呼ばれる水槽で冷やされる。 大垣では約２０軒が伝統の味を守る。同市高屋町の老舗、金蝶園総本家は１個１００円で販売。女性店員は「暑くなると、ますますおいしくなってお客さんも多くなります」と話していた。【子林光和】

仙台空港で２５日、国内線定期便の運航が再開する。空港施設がほぼ復旧し、これまでの臨時便を定期便に切り替え、震災前とほぼ同数の１日約８０便が発着する。 再開するのは全日空、日本航空、北海道国際航空（エア・ドゥ）、アイベックスエアラインズの４社が運航する大阪（伊丹）、成田、札幌、名古屋（中部）、福岡、那覇、広島、小松の８路線。国際線では、ユナイテッド航空が仙台－グアムの定期便（週２便）を１０月に再開する予定。また、全線で運休していた仙台空港鉄道「仙台空港アクセス線」は２３日、ＪＲ仙台－美田園駅間で運行を再開した。全線開通予定の９月下旬までは、美田園－仙台空港駅間で代行バスを運行する。他に、１８社が共同で、仙台空港とＪＲ仙台駅を結ぶシャトルバスを運行している。

中部国際空港の旅客ターミナルビル４階イベントプラザで２３、２４日、知多半島観光物産展「夏まつりｉｎセントレア２０１１」が開かれる。 ステージで民踊やダンスの発表、からくり人形の上演などが行われる。体験コーナーでは磁石や貝笛、木綿はがき作りなどを体験できる。また各市町がブースを出し、観光パンフレットを配布する。 両日午後６時半～午後８時、スカイデッキで空港会社主催の「セントレア盆踊りの夕べ」も開かれる。イベンプラザには縁日コーナーも登場する。【三鬼治】

米ボーイング社と全日空は、最新鋭中型旅客機Ｂ７８７「ドリームライナー」の中部国際空港（愛知県常滑市）への試験飛行を計画している。三菱重工業などが製造に携わった「メード・ウィズ・ジャパンの航空機」（ボ社幹部）で、製造拠点がある東海地区への関係強化と感謝を込めたフライトになる。 同機は７月３日から羽田を拠点に伊丹、関西など４路線で試験飛行をし同月９日に米シアトルに帰還する。 関係者によると、中部国際空港へは羽田から７月８日に飛来する予定だ。同機は主翼など機体の３５％が日本製で三菱重工、富士重工、川崎重工の東海地区の工場が製造している。東海には国内航空産業の５割が集中し、新型機のデモフライトにふさわしいと判断された。【高橋昌紀】

日本三大七夕の一つと言われ、今月２８日から開かれる愛知県一宮市の「第５６回おりもの感謝祭一宮七夕まつり」の七夕飾り作りがピークを迎えている。 同市富士の看板製作・施工会社「マスター」は、メーン会場の本町アーケード街を飾る色とりどりのくす玉やササ飾りなどを手作りしている。今年は東日本大震災からの復興を祈るメッセージ入りの飾りも作った。くす玉作りを担当する山口愛子さん（６２）は「毎年七夕飾り作りが始まると夏が来る実感がわきます」と話す。 作業は２４日からの飾り付け直前まで続く。【大竹禎之】

地上デジタル放送への完全移行を前ににぎわう薄型テレビ売り場。３万円台の商品も目立つ＝東京都千代田区のビックカメラ有楽町店で６月１３日、柳原美砂子撮影 東日本大震災後、薄型テレビの価格が一段と下落している。震災直後に消費が落ち込んだことがきっかけで、３月に平均単価が５万円台に突入した。５月以降は下げ止まり感が出ているが、家電量販店では中型の３２型で３万円台の商品も目立つ。地上デジタル放送へ完全移行する７月２４日を前に、中小型の薄型テレビが一段と売り上げを伸ばしそうだ。【柳原美砂子】 「数年前と比べて、こんなに安くなったのかと驚いた。予算内に十分収まるので、ぜひ買いたい」。地デジ対応テレビを買いに東京都千代田区のビックカメラ有楽町店を訪れた港区の男性会社員（４３）は、値札に目を見張った。 同店の売れ筋は、最も普及している３２型の中でもＬＥＤ（発光ダイオード）を使った省エネタイプで、価格は５万円

祇園祭の山鉾（やまほこ）を彩る提灯（ちょうちん）の生産が最盛期を迎えている。京都市下京区の老舗「奥川提灯店」では、日付が変わるころまで仕上げ作業に追われており、店内は大小さまざまな提灯で埋め尽くされている。 山鉾に付ける駒形提灯のほか、町会所や商店などの軒先につるすものまで約４０００個を受注。筆で一つ一つ模様や献灯者名を書き入れるなど細やかな手作業が続いている。 ８代目店主の奥川忠司さん（５６）は「節電などで皆の気持ちが暗い方へ向いているかもしれないが、お祭りくらいは明るくしたい」と話している。【森園道子】

日産自動車は１１日、電気自動車（ＥＶ）「リーフ」用のバッテリーと太陽光発電を組み合わせたＥＶ充電システムの実証実験を始めたと発表した。１２年度内をめどに商業施設や公共施設を対象に販売する計画という。 実証実験は、４８８枚のパネルを組み合わせた出力４０キロワットの太陽電池パネルを横浜市の日産本社に設置。発電した電力をリーフ４台分のリチウムイオン電池にため、本社内に７基ある充電器を通じて充電に利用するほか、電力が余った場合には照明などに活用する。年間でリーフ１８００台分の充電が可能という。 夜間や雨天時の充電も可能となり、再生可能エネルギーを効率的に活用できる。ＥＶは走行時に二酸化炭素（ＣＯ２）を排出しないため、同システムを利用すれば完全なＣＯ２排出ゼロも実現可能となる。 実験は日産と住友商事が共同出資して設立したフォーアールエナジー（横浜市）と実施。同社はリーフに使用したリチウムイオン電池の