振り返って思うのだが、昨年は世界情勢の読みを大きく外したと思えることが2つあった。1つは英国のEU離脱であり、もう1つはトランプ大統領の登場である。私だけが外したわけでもないが、その反省点が明確にならないなら、2017年の世界情勢はどうなるのかと問うてもあまり意味はないんじゃないか、という気が年末年始、もわもわとしていた。 もわもわとした思いからは「ポピュリズム」というキーワードが浮かびやすい。「愚民化」と言ってもいいかもしれない。もうちょっと気取って、「ポスト真実」とか言う人もいるだろう。でもどれも言葉の遊びである。そういう視点では全然ダメだろう。 ではどういう視点ならいいのか、というとき、ぼんやりを思ったのは、「見えないもの」ということだった。「そこに確実にあるのに見えないもの」。 EU離脱もトランプ大統領もそこにあるのに見えなかった。それは偉そうなキーワードで俯瞰できたり、データによ